市販の臨床試験データ管理システム【医療統計解析】

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市販の臨床試験データ管理システム|【医療統計学・統計解析】

市販の臨床試験データ管理システム【医療統計解析】


目次  市販の臨床試験データ管理システム【医療統計解析】

 

 

市販の臨床試験データ管理システム

 

臨床試験データ管理システムを自ら開発することは大変な作業ではあるが不可能なことではありません。

 

以前はほかの組織よりも優れ,組織内でのプロセスに完全に適合したシステムを構築することにより競争力を保持しようという目的と,市販されている臨床試験データ管理システムがなかったことから製薬企業や医学研究組織が自らシステムを開発することが多かったです。

 

しかしながら,テクノロジーの進化に伴ってシステムを改善したり,ユーザーからの要求の高度化に対応したりするためのバージョンアップ作業が必要になるというような負荷に加え,システムバリデーションが必須になったことによって,次第に各組織でのメインテナンスが困難なものになり,人員や金額的な負荷も大きくなっていきました。
そして,このようなシステムを開発するのが製薬企業や医学研究組織の本来の目的ではないことや,ほかの組織などのノウハウも盛り込まれている市販システムの機能を如何に利用できる体制をつくるかということの方がほかの組織との競争力強化の鍵であるという認識から,急速に市販の臨床試験データ管理システムが導人されるようになってきました。

 

市販の臨床試験データ管理システムとしてはGlobalな環境で使われているものとしてClintrialやOracle Clinicalが有名です。

 

以前はこれらのプロダクトは日本語で扱うことは不可能でしたが,現在は日本語にも対応できるようになっています。

 

日本でもここ数年いくつかのプロダクトが上場しています。

 

様々な特徴を持ったシステムがあり,使う組織の目的と予算などに応じて選択すべきものです。

 

ただし組織での業務手順に合わせてシステムをカスタマイズするのでなく,システムに合わせて逆に業務不順を変更するというような柔軟な体制で臨まないと,市販の臨床試験データ管理システムを速やかに拡大して使うということは難しいかもしれません。

 

いずれにせよシステムの機能だけでなく,ベンダーのサポート体制ということも充分に検討しておかないとうまくシステムを運用するということが難しくなる可能性が高いです。

 

 

また,システムをカスタマイズしない場合には,バリデーションやバージョンアップなどへの対応ということなどで問題を生じる可能性が高くなり,結局は自ら開発したシステムを利用している場合に生じる課題とほとんど変わらなくなってしまう危険性があるので注意が必要です。

 

つまり,本当に使川したい機能は何であるのかを見極めてシステムを利用すべきであり,あれば便利というような機能を無理矢理に付加することは避けるべきです。

 

どうしても何らかの機能を付加しなければならない場合には,外部モジュールとして準備することによりシステム本体のバリデーションやバージョンアップへの対応を容易にできるような工夫をしておくべきでしょう。

 

臨床試験データ管理システムを考える際に,データモデルとメタデータを標準化して共有化することと,これらに対応した報告書を作成することにより整合性(Integrity)を保つことができます。

 

このためにも,階層構造を持ったデータモデルの設計が重要になります。

 

また,臨床試験データ管理システムは,基本的には臨床試験データの入れ物であることは既に説明した通りであり,過度に臨床試験データの出力機能に期待するべきではありません。

 

出力は,レイアウトや項目など使用する人により際限ないと言ってよいほど,要求が異なる事項です。

 

あまりに各個人の要求に個別に対応することは避け,最低限のものを標準として設定する方が賢明です。

 

とくに先の項でも述べた通り,カスタマイズを行ってまで希望の出力を準備することは極力避けるべきです。

 

むしろ,臨床試験データ管理システムには一切手を加えず, SQLやSAS/ACCESSなどを利用して随意の出力を作成するのだというように割り切る方が望ましいです。
一方,臨床試験データの入力過程において,コンピュータ上のデータをうまく活用することにより,これまでに何例分のデータが入力されたということや,ある症例のどこまでの範囲のデータが入力されたというような管理レポートの作成を行うことができます。

 

さらに,医師などに対して「患者ABCは,投与4週目は○月○日になりますのでXとYの項目についての観察をお願いいたします」という内容の手紙やFAXを送付することも可能でしょう。

 

これにより,観察のずれや観察項目の忘れなどを防ぐことに少しでも寄与することができるかもしれません。

 

これらの機能にしても,臨床試験データ管理システムをカスタマイズすることなしにSQLやSAS/ACCESSなどを利用することで充分に実現可能です。

 

また,症例報告書そのものの出入りを管理する「症例報告書トラッキング管理」や,修正記録用紙の作成・管理を行う「CLF管理」というような機能を付加することも可能です。

 

この場合も,臨床試験データ管理システムが機能を持っていなければ,外部モジュールとして準備する方が妥当です。

 

修正記録用紙に関しては,データレビューの過程をうまく管理し,コンピュータによる論理チェックの実行結果をうまく取り込むことができるような仕掛けがあれば,修正記録用紙をコンピュータシステムにより作成することも可能です。

 

 

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