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人口の統計学【統計学講義基礎】


人口の統計学【統計学講義基礎】

 

人口統計は、ある時点の規模や構成を表す静態統計と、出生・死亡などの変化を表す動態統計とに分けられます。

 

前者の代表が5年ごとに実施される国勢調査であり、最も基本的な静態人口情報は人口ピラミッドに表されます。

 

図は1950年と2000年のものですが、戦争やベビーブームなど、歴史がほぼ読み取れます。

 

人口ピラミッドを都道府県別、市町村別、産業別従業者などについて作成したものもあり、それぞれ豊富な情報をもっています。

 

表に示した人口総数、男女別などの基本的情報に加えて、都道府県別、産業別の就業者数などの詳細な情報も入手可能ですが、この種の情報だけなら、住民基本台帳や企業側の統計調査を利用すれば近似的な答えを得ることができます。

 

他方、国勢調査でなければ知ることのできない情報も多く、たとえば職業別の技能を持った人の数が一例です。

 

最近、情報処理技術者の不足が指摘されていますが、事業所の就業者数から情報処理産業の従業者を調べるのでは十分な情報とはいえません。

 

事業所の分類方法から明らかなように、銀行で働く情報処理技術者は金融業の従業者と数えられています。

 

国勢調査では、ある人が働いている産業と、その人の職業とが区別して集計され、情報処理技術を持った就業者の数が明らかにされます。

 

今後の職業教育など、政策の必要性を判断するためにも、このような情報が求められます。

 

定義上、国勢調査による結果がわが国の人口とされるため、地方公共団体への補助金の算定や国会議員定数などは、これによって定められます。

 

なお、国勢調査が実施されない時期の人口は、国勢調査結果に毎月の増減を調整するという方法で得られています。

 

人口動態統計

 

出生・死亡など人口の増加・減少に直結する情報を集録した「人口動態統計」は市町村への届出を集計したものであり、厚生労働省によって公表されています。

 

その中には、婚姻、離婚も含まれていますし、平均寿命、死亡率、出生率なども届出に基づいて作成されます。これは行政資料を集計した業務統計です。

 

図に示す出生率と死亡率はいずれも人口千人あたりで表されています。

 

一般に発展途上国では多産多死の状態にあり、経済発展とともに少産少死となります。戦後のわが国でも類似の傾向がみてとれます。

 

なお、1966年の落ち込みは「ひのえうま」の俗信から出産を控えたことによる一時的な現象です。

 

死亡率を地域間、時点間で比較するときには、死亡者数÷人口という式で計算される死亡率は、年齢構成に依存することに注意が必要です。

 

各年齢階級別の死亡率が等しくても高齢者の多い地域では死亡率が高くなります。

 

この問題に対処するために、基準となる年齢構成を一定にして、年齢階級別の死亡率から全体の死亡率を計算するという方法が用いられます。

 

このように年齢構成を基準化した死亡率、出生率などを標準化人口動態率といいます。

 

図の右目盛りの合計特殊出生率は、一生の間に一人の女性が産む子供の数を表すもので、これが約2.08人を下回ると次の世代の人口が少なくなります。

 

海外でも先進諸国を中心に少子化が進んでいることから、合計特殊出生率はおおむね低下傾向にあります。

 

2001年では、米国が2.13と高いほかは、各先進国とも1.1から1.8の間です。

 

なお女性が長生きするため「男÷女×100」と定義される性比は、日本を含めて先進国では1より小さいですが、出生時の性比は105前後と男が多いことが特徴です。

 

 

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