利益相反(conflict of interest)|【統計学・統計解析講義応用】
利益相反(conflict of interest)
「完全にバイアスがない」という研究者の概念は,達成可能でない理論的な理想である。
しかしながら,バイアスの大きさまたは利益相反(conflict of interest)は段階的な方法で考慮されている.
研究者(investigator)は,臨床試験に出資している企業(industry sponsor)と直接の金銭的利害関係をもつべきではない.
報酬を払うコンサルタント(consultancy)を通して高額の金銭の受け渡しがあった場合,業界でも許容できる関係の範囲を超えているとみなされる.
臨床研究プロジェクトで実行される仕事への報酬は,行われた仕事に対して.合理的(当然の対価)であるべきであり,明確な契約を通して扱われるべきである.
おそらく,臨床試験において最も普遍的で共通の対立は,特定の概念に対する信条から生ずる研究者のバイアスである.
盲検化は,このリスクを大いに減少するが,臨床試験の大多数は、肓検化することができない.
基本的結果について,偏りのない態度を保つことができないと,研究者は重要な発見を見落とすことになる.
いくつかの文書は,利益相反を管理するガイドラインを明確に述べている.
そのうえ,注意は,いかなる利益相反ももたず論説を書く人の責任についても焦点があてられている.
機器の試験における特殊な問題
医療機器(medical device)の試験では,注意深く考慮するに値する特殊な問題が生じている.
機器と他の機器または薬物治療との比較では,臨床医の技術的スキルは,治療の成否において欠くことのできない要素であるという事実から,機器を埋め込む臨床医がその技術に順応することは,しばしば複雑になる.
したがって,治療の失敗は.機器の失敗と同様,臨床医の失敗として解釈することができる.
多くの機器試験では,明らかに,治療を盲検化することは不可能である.
これらの理由から,機器試験における臨床結果を評価する際には.方法について特別に焦点を当てることが必要となる.
理想的には,臨床結果は盲検化レビューの仕組みによって評価するべきであり,試験は機器に関連した結果に特別な興昧はもたないけれど,疾患特異的な結果,あるいは臨床研究の方法についての専門知識をもつ研究者を含んだグループによってデザインされるべきである.
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