フェミニスト研究【統計解析講義応用】

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フェミニスト研究|【統計学・統計解析講義応用】

フェミニスト研究【統計解析講義応用】


目次  フェミニスト研究【統計解析講義応用】

 

 

フェミニスト研究

 

フェミニスト研究(feminist research)の方法は,批判理論研究に類似しているが,父権制社会におけるジェンダー支配と差別に焦点を絞っている.

 

批判的研究者と同様,フェミニスト研究者は情報提供者と協同的で非搾取的関係を築き,物体化(対象化)を避けるために,研究に身をおき,変容をもたらすような研究を行おうとする.

 

ジェンダーは,フェミニスト研究における構成原理であり,調査研究者は,性差と,性差による社会秩序がどのように女性の生活や意識を形成してきたかを理解しようとする.

 

その目的は,「女性の不平等な社会的地位に終止符をうつという方法で,目に見えない,歪められた女性の経験」を改善することにある.

 

一般に,フェミニスト研究者は,女性の多様な状況や,そのような状況を形成する制度や関係性をあつかうことが重要だ,という点で一致しているが,フェミニストの探究はさまざまである.

 

これまで,3つのおおまかなモデル(そのそれぞれに多様性がある)が確認されている.

 

@フェミニスト経験主義を唱導する人は,通常,質的探究のきわめて標準的な規範に基づいて仕事をするが,女性の生活の社会的実態をより正確に描こうとする.

 

Aフェミニストの観点による研究では,探究は,女性の生きられた日常的な社会政治的経験に始まり,それに即して検定すべきものであるとし,また,女性の観点は特別であり優先すべきである,と考える.

 

Bフェミニスト・ポストモダニズムは,「真実」とは破壊的な幻想であると強調し,世界を終わりのない物語,テクスト,ナラテイブとしてとらえる.

 

看護とヘルスケアでは,フェミニスト経験主義とフェミニストの観点による研究がもっとも多い.

 

フェミニスト研究の範囲は広く,女性個人の具体的で主観的な観点に関する研究から,社会運動,構造,また女性に影響する(そして女性を除外することも多い)広範な政策に及ぶ.

 

オルセン〔Olesen,1994〕は,ナースの職歴パターンと成功の定義を研究した社会学者であり,女性の主観的経験に関するもっとも優れたフェミニスト研究のいくつかは,女性の健康という分野でなされてきた,と述べている.

 

概して,フェミニスト研究の方法では,徹底的,相互作用的,協同的な個人面接,またはグループ面接を行い,互恵的な教育的な出会いが可能となる.

 

フェミニストは,通常,研究結果の意味について研究参加者と話しあい,自分自身が体験し学んだことについて内省的であろうとしている.

 

他のイデオロギーの観点をもつ研究と同様,フェミニスト研究も,倫理的な研究の実施基準を高く設定している.

 

このような新しい探究形態の支持者は,信頼,共感,非搾取的関係を強調し,どのようなタイプのごまかしも操作も忌まわしいものとする.

 

パンチ〔Punch, 1994〕が,倫理とフェミニスト研究について述べているように,「あなたは自分の姉妹をだましてはいけない」のである.

 

 

フェミニスト研究の例

 

グスタフソン〔Gustafson, 2000〕は,他のナース10人と. 1990年代のカナダの病院でのナースの配置転換に関する共同研究を行った.

 

彼女は,「立場は政治的,焦点はジェンダー、過程は内省的.アウトカムは変容の力をもつことを意図した」方法を採用した.

 

グスタフソンは,フェミニストが共同研究の方法を使うことの長所と限界について,また,研究について「慎重に練られた計画」が常に容易に維持できるわけではないことを,いくらか詳しく記述している.

 

 

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