実施における課題【統計解析講義応用】

実施における課題【統計解析講義応用】 | 統計解析 - ChatGPT・Python・エクセルを使った講義で最速マスター

セミナー詳細                    解析ご相談                    LINEでお友達

実施における課題|【統計学・統計解析講義応用】

実施における課題【統計解析講義応用】


目次  実施における課題【統計解析講義応用】

 

 

実施における課題

 

試験に対して選ばれたランダム化手順の適切な実施(proper implementation)は,試験の遵守を保つのに重要なステップである.

 

世界の主要な医学雑誌によって承認されている臨床試験を報告するガイドラインを示している2010年のCONSORT声明は,研究者医師はランダム化アルゴリズムとそれがどうやって実施されたかを報告する必要があることを述べている.

 

適切な割付手順の特徴は. (1)治療割付の順序の再現性,(2)割付手順を作成し,実施する方法の文書化. (3)被験者が試験に登録する条件を満たすまで,個々に治療割付が明らかになるのを防ぐ機能. (4)必要になるまで関係者すべてへの割付のマスキング.(5)過去の割付けから将来の割付が予測できないこと, (6)確立されたプロトコールからの逸脱をモニタリングする手眠を含む.

 

適切な割付

 

ランダム化のアルゴリズムによって生成される割付順序の再現性は,前述したUGDP試験で起こったようなランダム化手順の遵守が疑問視される場合,特に重要である.

 

他者による精査のために,治療割付の手順を再現する研究者の能力は.その試験についての懸念の数を減らす可能性がある.

 

例えば,乱数ジェネレーター(random number generator. RNG)を用いた割付方式は,アルゴリズム,または使われたプログラムとそのシード(最初のランダム番号を生成するために用いる)を特定する.

 

割付表を生成し,使用する方法を明らかに定義し,厳格に従うべきである.

 

プロトコールは,研究者がどうやって治療割付を行い,誰から,そしてどんな条件を満たした後に行うかを明記しなければならない.

 

割付はメールで送れるのか,または電話. FAX,コンピュータで送ることができるのか.その処理にはどのくらい時間がかかり,それは24時間対応が可能か.研究担当者の研修,認定,モニタリングと同様に.ランダム化のために明確に定義された手順は,適切な割付方法とバイアスのない試験を確実にするために不可欠である.

 

適切な割付手順は,試験への登録のための必要条件が満たされるまで,治療割付を明らかにすることを防ぐ方法を含む.

 

二重盲検試験では,治療割付は,試験の終了まで明らかにされない.この隠蔽は重要である,

 

なぜなら被験者は.一旦ランダムに治療群に割り当てられたら,試験の遵守を維持するために,割り当てられた治療群の一員としての試験解析に含めなければならないからである.

 

この原則はITT原則と呼ぱれ,ランダム化比較試験の好ましい解析方法である.

 

ランダム化後の被験者の除外は,ランダム化の手順を無効にして,すべての試験の妥当性を脅かす.

 

データ解析からのランダム化後の除外は質の高い雑誌に試験結果を掲載することは一般的であるが,そのような除外は限るべきで,十分に理由づけすべきである.

 

または.それらは試験の解析,結果の解釈に関して重大な問題を起こす.プロトコールに基づく解析(per protocol analysis),すなわち意図したとおりに試験群に登録された被験者のデータを含めるのみの解析は非常に興味深い.

 

しかし,一般的にITT解析の結果の二次的なものとした付加的な解析である.

 

被験者を試験に登録するための必須条件は.被験者が割り付けられる可能性のある試験治療のどれに対しても適格であることである.

 

場合によっては,ランダム化後被験者を割り付けられた試験群の治療を受けるか,続けることを防ぐ問題が起こる.

 

ITTを保つため彼らは群に割り付けられたとして解析に含まれなければならない.

 

実際には,被験者が割り付けられた治療を実際受けていなくとも解析に含めるということは,治療効果における相違を検出する能力を弱めるので,治療割付を発表する前に適格性を判定することにより,このような問題を最小化することが重要である.

 

もし試験が.完全に「マスキング(隠蔽)されない」場合,外科的療法やライフスタイルの変更などの明らかな介入を持つ試験で見られるように,必要とするまで,治療割付は関係する誰にでも隠蔽され続けなければならない.

 

治療割付前の被験者を登録するスタッフ,あるいは被験者自身の不適切な盲検化は,ランダム化を崩壊させる場合もある.

 

例えば,必要な試験手順とともにランダム化された治療割り当てが一連の密封された封筒に含まれていて,一方の群が他方より多くの方式を必要とする場合.封筒の異なる厚さは治療割付を明らかにする可能性がある,

 

そして,スタッフが,登録されるために待っている被験者のために適切であると考えたかどうかに応じて,募集をかけなかったり,厚くない封筒を受けとらないことを選択することができる.

 

不適切な隠蔽による妥協したランダム化や試験関係者によるによる積極的な勝手な変更の多くの実例が報告されている.

 

他と異なった形状の封筒によるコードの識別,明るい光に封筒をかざす,または彼らが好む治療が見つかるまで無数の封筒を保留する,などが含まれる.

 

Schultzはそのような例を多数示しているし,SchultzとGrimesは隠蔽手順のための最小の要件を勧告している。

 

適切なマスキング(盲検)の重要性のために. CONSORTグループは2010年に臨床試験報告のガイドラインに,ランダム化にどのような方法を用いたかだけでなく,遮蔽のためにとった手順,ランダム手順を作成したか.だれが被験者を登録し,だれが介入21群を被験者に割付けたかを含めた.

 

 

ランダム化のメカニズム

 

実際には,ランダムな数列は.一般的にコンピュータソフトウェアによって作り出される.

 

乱数表は多くのテキストに掲載されている.

 

そして,コンピュータに幅広くアクセスする前にランダム割付を実施するために一般的に用いられた.統計ソフトウェアは,様々な方法で一連の乱数を発生させることができる.

 

1つの方法は,単位区間(unit interval), 0〜1の間にランダムに分布した数字を生じさせる.

 

そのような0〜1間の20個の数字に,もし数字が0.5より小さければA.それ以外はBを割付けるといったAとBを同じ確率で割付ける.

 

上述した単純ランダム化に代わる方法は,置換ブロックランダム化を用いた治療割付での小さい組合せ,またはブロックに割付けることである.

 

サイズ4のブロックによって置換ブロックランダム化を実施することに決めたと仮定する.

 

それぞれのブロックで4番目の治療割付の後に個々のブロックにおいて均衡が保たれる,6つの等しい確率をもった組み合わせがある.

 

これらのブロックのランダム配列を生成する方法の1つは,正6面体のサイコロを投げるように,1から6のような可能なブロックに分類して. 1/6の同じ確率で1から6まで数字をランダムに生成することである.
統計ソフトウェアは1から6まで数字のランダムなリストを生成するために用いられる.

 

したがって,ランダムにその数字に対応する治療ブロックを選択する.

 

コンピュータがランダムに5, 6. 4, 6. 2を生成したと仮定すると,これは,20治療の割り当ての順序を構成するであろう.

 

試験において2つの施設で実施することを計画したとして,1つの施設は8例の被験者,もうひとつの施設は12例の被験者を組み入れたとする.

 

そして施設で層別ランダム化を実行したい.層別ランダム化は,別々に各施設のブロックランダム化を実行することによって達成することができる.

 

ここで示したランダム化の基本原則には多くの応用がある.

 

例えば,1つは,3以上の治療に被験者をランダムに割付ける方法を計画することができる.

 

これは,ランダム化の実用的かつ効率的な方法を開発するために統計家と協力していくことをうながす.

 

モニタリング

 

治療割付の確立した手順の正しい実施は積極的に監視されるべきである,

 

ランダム化のモニタリングは,例えば効果安全性評価委貝会(data safety monitoring board, DSMB)や独立した統計学者のように研究の実施に関与していない個人によって行われるべきである.

 

そのため,試験の被験者を登録しているか,経過観察しているか,評価しているスタッフは,治療が盲検化されたままである.

 

治療群に対する割付けの頻度は,層化因子によって,そして,全体としての研究のために.日常的に監視されなければならない.

 

すべての群でベースライン因子の違い,または1度群に割り付けられた後の脱落の頻度の情報は,ベースラインデータが完全に収集され,登録が行われる前に,すべての適格基準が明確に決定されることを保証するためにランダム化およびデータ収集手順の見直しを始めなければならない.

 

最初の被験者を試験に登録するのに先立ち,ランダム化を実行するために,望ましい手順に従ってランダムに治療の割付を行うために開発されたソフトウェアを使用する必要がある.

 

ランダム化手順の実施の問題は,良くて最善の治療割付が起こることで,最悪では試験結果を無効にしてしまうことである.

 

試験中のランダム化を監視することの事前の注意事項は,起こり得る問題の影響を最小にするために早期に修正するべきである.

 

 

実施における課題【統計解析講義応用】


セミナー詳細                    解析ご相談                    LINEでお友達

実施における課題【統計解析講義応用】

実施における課題【統計解析講義応用】