優れたデザインの特性【統計解析講義応用】

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優れたデザインの特性|【統計学・統計解析講義応用】

優れたデザインの特性【統計解析講義応用】


目次  優れたデザインの特性【統計解析講義応用】

 

 

優れたデザインの特性

 

研究デザインを選ぶ際には,研究者は,そのデザインが,その研究設問に信憑性ある回答を提供する最良の働きをするかどうかという,何よりも重要な考えに従うほうがよい.

 

ふつう,どんな研究設問も数多くのさまざまなデザインであつかえるし,研究者は柔軟にそれを選択できる.

 

ただし,多くのデザインは,なんらかの研究問題に関してはまったく適さない.

 

たとえば,質的研究でもちいられるような,あまり構造化されていない研究デザインは,未熟児の吸啜反射を刺激する機会が早期経口哺乳を促すかどうかという疑問をあつかうには不適切であろう.

 

一方,しっかりとコントロールされた研究は,ナースが診断するプロセスを理解することに関心ある研究者を,不必要に制限するかもしれない.

 

研究コントロールの技法は,偏りをコントロールする手段であるが,過度なコントロールが偏りをつくりだす場合もある.

 

たとえば,主要な研究変数が現れる方法を強くコントロールすると,そうした変数の本当の特性があいまいになる可能性がある.

 

主要な概念が,あまりよく理解されていない現象であったり,まだ不明瞭な段階であれば,なんらかの柔軟性あるデザインが研究目的にはふさわしい.

 

クックとキャンベル〔Cook & Campbelい979〕は,研究デザインに関するその古典的な著作で,変数間の関係に焦点をあてる研究デザインを評価するうえで重要な4つの考慮点を説明している.

 

研究デザインに関して,研究者が取り組まなければならない(そして,研究の消費者が評価しなければならない)課題を,以下にあげる.

 

1.2つの変数間に関係が存在する,というエビテンスの強さはどうか.

 

2.関係が存在する場合,外生変数ではなく,関心ある独立変数(例:介入)が結果を引き起こしている,というエビデンスの強さはどうか.

 

3.因果関係がもっともらしい場合,どのような理論的構成概念が,関係する変数の根拠となるのか.

 

4.因果関係がもっともらしい場合,その関係が,人々,場の環境,時間を超えて一般化できる,というエビデンスの強さはどうか.

 

これらの課題は,それぞれに研究の妥当性についての4つの側面に対応している.@統計学的結論妥当性,A内的妥当性,B構成概念妥当性,C外的妥当性.

 

統計学的結論妥当性

 

因果関係を確立するための最初の基準は,実際に,独立変数と従属変数に経験的関係があると示すことである.

 

こうした関係が存在するかどうかを判断するために,統計学的方法を使う.

 

統計学的検定が,真の関係を実際に検出するかどうかは,どのようなデザインを選ぶかにかかっており,研究者は,誤った統計学的結論に陥らないように決定する必要がある.

 

統計学的結論妥当性(statistical conclusion validity)にはあらゆる側面がある。

 

 

低い統計学的検出力(パワー)

 

統計学的検出力(statistical power)とは,変数間の真の関係を検出する研究デザインの能力を指す.

 

適切な統計学的検出力を得るには,さまざまな方法がある.

 

なかでももっともわかりやすい方法は,十分な大きさの標本をもちいるものである.

 

小さな標本の場合は,統計学的検出力が低くなる傾向にあり,独立変数と従属変数が関係している場合でさえも,分析によってそれを示すことに失敗することがある.

 

検出力を備えたデザインのもう1つの側面は,独立変数の構築または定義づけ,そして反事実条件にかかわるものである.

 

統計学的にも実質的にも,比較するグループ間や処理間の差が大きいほど,結果はより明確になる.

 

通常,研究者は,独立変数の差を最大にして,これにより従属変数でのグループ間の差を最大にすることを企図したほうがよい.

 

いいかえると,グループ間の差が大きいほど,結果はより明確になる.

 

コン,ランツ,ウィッケーテヴィス,マース〔Conn, Rantz, Wipke-Tevis, &Maas. 2001〕は,検出力と看護介入の効果を強化するための優れた示唆を提示している.

 

非実験研究より実験研究のほうが,グループ間の差を大きくすることが容易である.

 

実験研究では,研究調査者は,時間,費用,倫理,実用性が許すかぎり,明確かつ強力な介入条件を工夫できる.

 

しかし,非実験研究でも,差を検出する力を強化するような方法で独立変数を操作する機会は多い.

 

 

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