有意抽出法|【統計学・統計解析講義応用】
有意抽出法
フリードマン,モンゴメリー,ライス,ファーレルは,ナーシング・ホームへの家族の関与について研究した,
標本抽出計画の第1段階では,ミシガン州南部の208のナーシング・ホームの調査結果をもとに,家族の関与についての方針が異なる24のナーシング・ホームを有意抽出法で選んだ.
第2段階では,ある20か月間にこれらのナーシング・ホームに入居した居住者の家族すべてに,研究参加を募った.
非確率標本抽出の評価
非確率標本抽出は,パイロット(予備的)・スタディ,探索的研究,徹底的な質的研究には有効であることが多いが,ほとんどの量的研究では,非確率標本抽出をもちいることには問題が多い.
非確率標本抽出は,母集団を代表することはめったにない.
母集団のすべての要素に,その標本に含まれるチャンスがなければ,母集団のいくつかの側面が系統的に過少に代表されることだろう.
それでは,なぜ,非確率標本抽出が多くの看護研究でもちいられるのだろうか.
明らかに,この種の標本抽出デザインの長所は,実用的で経済的なところにある.
確率標本抽出には,技術と資源が必要である.
非確率標本抽出をもちいるか,研究プロジェクトすべてを断念する以外に,選択肢がないことが多い.
無作為標本がないためにアイデアを放棄するのは,頑固な研究方法論者でさえためらうだろう.
やむをえず,非確率標本抽出をもちいる量的研究者は,データから導き出される推論と結論について慎重でなければならない.
標本の選択を慎重に行い,結果を控えめに解釈し,新しい標本で研究を反復すれば,研究者は,非確率標本でもかなりうまくいくということがわかるだろう.
便宜的標本を使う場合,標本の代表性を高めるために,さらに次のような手段をとることができる,
重要な外生変数,つまり,従属変数における変動に影響する因子を特定しよう.
たとえば,健康へのストレスの影響についての研究では,裕福な人々よりも貧しい人々のほうが健康でない(そしてよりストレスを受ける)傾向にあるので,家族の所得は1つの重要な外生変数であろう.
次に,標本抽出デザインでこの変動の源をどのようにあつかうかを決めよう。
1つの解決法は,外生変数による変動を除くことである.
ストレスと健康の例では,中流階級の人々に母集団を限定することもできよう.
または,社会経済的に異なる2つの地域から便宜的標本を選ぶこともできよう.
そうすれば,標本は,下層階級と中流階級の対象の双方の体験を反映するだろう.
これは.割り当て標本抽出法を使うやり方である.
いいかえると,母集団が不均質であるとわかっている場合は,それをより均質にするための手段を講じるか(それによって,母集団を再定義する),標本のすべての変動をとらえるための手段を講じるのがよい,
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