葉酸で未来を守る!|妊娠・貧血・脳まで支える健康パワー【東京情報大学・嵜山陽二郎博士のAIデータサイエンス講座】

葉酸はビタミンB群の一種で、赤血球の形成やDNA合成、細胞分裂に不可欠な栄養素である。特に妊娠初期の十分な摂取は、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低下させることが知られ、妊婦に強く推奨されている。また、貧血予防、動脈硬化の原因となるホモシステインの低下、心血管疾患リスクの軽減、口内炎や舌炎の予防にも関与する。緑黄色野菜や豆類、レバーなどに豊富で、日常的な摂取が健康維持に重要である。
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葉酸の基本的な働き
生命活動を支えるビタミンB群
葉酸は水溶性ビタミンB群の一種で、正式にはビタミンB9と呼ばれ、DNAやRNAの合成、細胞分裂、造血作用など生命活動の根幹を支える極めて重要な栄養素である。特に赤血球の形成に深く関与するため、不足すると巨赤芽球性貧血を引き起こし、動悸、息切れ、めまい、倦怠感などの症状が現れる。
循環器疾患との関係
ホモシステイン低下と血管保護
葉酸はアミノ酸であるホモシステインの代謝にも関与し、血中ホモシステイン濃度を低下させる働きを持つ。ホモシステインは動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中などの心血管疾患のリスク因子とされており、葉酸の十分な摂取は動脈硬化の進行抑制や循環器疾患の予防に役立つことが多くの研究で示されている。
妊娠期における重要性
胎児の神経管閉鎖障害予防
葉酸は細胞増殖が盛んな妊娠期において特に重要であり、妊娠初期に十分な葉酸を摂取することで、胎児の神経管閉鎖障害、すなわち無脳症や二分脊椎などの先天異常の発症リスクを大幅に低下させる。このため妊娠を希望する女性や妊娠初期の女性にはサプリメントによる付加的摂取が推奨されている。
脳機能と精神面への影響
認知機能とうつ症状との関連
近年では葉酸が認知機能の維持やうつ症状の軽減にも関与する可能性が注目されている。葉酸不足は神経伝達物質の合成に影響を及ぼし、抑うつ傾向、記憶力低下、集中力の低下と関連することが報告されており、高齢者における認知症予防の観点からも重要な栄養素とされている。
粘膜・免疫機能との関係
口内炎・感染症予防への役割
葉酸は口腔内や消化管粘膜の健康維持にも関与し、不足すると口内炎、舌炎、口角炎などが起こりやすくなるほか、食欲不振や消化不良を招くこともある。また免疫細胞の生成にも関与するため、葉酸不足は免疫力低下を引き起こし、感染症にかかりやすくなる可能性がある。
がん予防との関連
DNA合成と細胞保護作用
葉酸は正常なDNA合成と修復を支えることで、細胞の異常増殖を抑制し、大腸がんや膵臓がん、乳がんなどの発症リスクを低下させる可能性が示唆されている。一方で過剰摂取が一部のがんの進行に影響する可能性も議論されており、適正摂取の重要性が強調されている。
食事からの摂取と注意点
食品源と調理による損失
葉酸は体内でほとんど合成できないため、食事からの摂取が不可欠であり、緑黄色野菜、ほうれん草、ブロッコリー、アスパラガス、枝豆、豆類、果物、レバー、海苔などに豊富に含まれているが、水溶性で熱や光に弱く、調理損失が起こりやすいため、生野菜や蒸し調理など調理法の工夫も重要となる。
不足しやすい人とサプリ活用
適切な補給の重要性
日本人の食生活では葉酸は不足しやすい栄養素の一つとされ、特に若年女性、高齢者、妊娠期・授乳期の女性、偏食傾向のある人、アルコール摂取量の多い人では不足リスクが高い。サプリメントによる補給は有効であるが、過剰摂取はビタミンB12欠乏症を見逃す原因となるため、耐容上限量を守った摂取が必要である。







