デプスインタビュー（Depth Interview）、またはインデプスインタビューは、質的調査手法の一つであり、対象者の深層にある心理、感情、考えなどを探ることを目的とした面談形式のインタビューです。

この方法は、特に心理学、社会学、市場調査などの分野で広く用いられ、個人の内面的な動機や意見、態度など、表層的なデータでは捉えきれない深い情報を引き出すことが可能です。

デプスインタビューの特徴

デプスインタビューは1対1の面談形式で行われ、インタビュアーは対象者との対話を通じて、対象者の個人的な経験や感情、価値観などを深く掘り下げます。

このインタビュー形式の最大の特徴は、質問の柔軟性にあります。インタビュアーは対象者の回答に基づき、フォローアップの質問を行い、さらに深い情報を引き出すことができます。

また、非言語的コミュニケーション（例えば、身振りや表情）も重要な情報源となり得るため、インタビュアーはこれらの観察にも細心の注意を払います。

デプスインタビューのプロセス

デプスインタビューのプロセスは、準備、実施、分析の三つの段階に大きく分けられます。

準備段階では、目的の明確化、インタビューガイドの作成、対象者の選定が行われます。

インタビューガイドには、開放的な質問が含まれることが一般的で、対象者が自由に考えや感情を表現できるように設計されます。

実施段階では、インタビュアーは対象者との信頼関係構築に努め、安心して自分の考えを話せる環境を提供します。

インタビュー中、インタビュアーは柔軟に質問を変えたり深めたりしながら、対象者から豊富な情報を引き出します。

分析段階では、収集したデータを整理し、テーマやパターンを特定するための詳細な分析が行われます。

この段階では、データの内容だけでなく、その背後にある意味や文脈も考慮されます。

デプスインタビューの利点

デプスインタビューの最大の利点は、個人の内面的な世界を深く理解できる点にあります。

特に、新しい概念や理論の発展に寄与する洞察を得たり、複雑な心理状態を解明したりする際に有効です。

また、対象者一人ひとりに焦点を当てることで、個々の多様性を詳細に捉えることが可能です。