逆転項目|心理尺度を攻略!リッカート法の秘密【ChatGPT統計解析】

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逆転項目|心理尺度を攻略!リッカート法の秘密【ChatGPT統計解析】

逆転項目|心理尺度を攻略!リッカート法の秘密【ChatGPT統計解析】
逆転項目(invert scale)とは、リッカート法を用いた心理尺度において、他の質問項目と測定の向きが逆になっている質問を指す。たとえば「自己抑圧性」を測る質問群において、「引っ込み思案である」「いつも目立たないようにしている」「誰からも嫌われたくない」といった質問は通常項目だが、「積極的に自分の意見を述べる」は逆転項目となる。このような逆転項目を含める理由は、回答者の一貫性を確認するためや、無意識に偏った回答を防ぐためである。信頼性を評価するためにクロンバックのα係数を計算する場合、逆転項目の点数は反転処理を行う必要がある。具体的には、7段階評価なら「7→1」「6→2」…「1→7」と変換する。

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目次  逆転項目|心理尺度を攻略!リッカート法の秘密【ChatGPT統計解析】

 

 

 

逆転項目(invert scale)とは、リッカート法を用いた心理尺度の質問項目群の中で、他の項目と測定の向きが逆になっている質問を指します。このような項目は、心理学や社会学などの分野で広く利用されるアンケートや質問紙調査において、重要な役割を果たしています。たとえば、「自己抑圧性」という心理的特性を測定する質問群を考えてみましょう。この特性を評価する質問には、「引っ込み思案である」「いつも目立たないようにしている」「誰からも嫌われたくない」といった質問が含まれます。これらの質問は、すべて自己抑圧性の高さに一致する方向で評価される通常の項目です。一方で、「積極的に自分の意見を述べる」という質問は、自己抑圧性が低い方向に評価されるため、逆転項目に分類されます。このような逆転項目を含める理由はいくつかありますが、その主な目的は回答者の一貫性を確認すること、また無意識に偏った回答を防ぐことにあります。

 

まず、回答者の一貫性を確認するという点について説明します。心理尺度の信頼性や妥当性を確保するためには、回答者が質問群全体に対して一貫した態度や認識を持って回答しているかどうかを評価する必要があります。たとえば、逆転項目が含まれていない場合、回答者は特定のパターンで回答し続ける可能性があります。これを「セット反応」と呼びます。セット反応とは、回答者が質問内容を十分に考えず、無意識にすべての質問に対して同じ方向の回答を繰り返す現象です。このような回答パターンが発生すると、測定の正確性が損なわれ、結果として得られるデータの信頼性や妥当性が低下する可能性があります。しかし、逆転項目を含めることで、回答者が一貫性を欠く回答をしている場合、その不一致を検出することができます。たとえば、通常項目では高い得点を付けているにもかかわらず、逆転項目では低い得点を付けている場合、回答者が質問の意味を十分に理解していない、または慎重に回答していない可能性があると判断できます。

 

次に、逆転項目が無意識の偏りを防ぐ役割について説明します。人間は、質問紙に回答する際に、特定の思考パターンや感情的なバイアスに影響されることがあります。これらのバイアスには、社会的望ましさバイアス(他者に良く思われたいという欲求によって回答が歪むこと)や、承認欲求バイアス(肯定的な回答を選ぶ傾向)などがあります。逆転項目を含めることで、回答者はそれぞれの質問の内容をより慎重に考慮する必要が生じ、結果として回答の質が向上します。たとえば、同じ意味の質問を異なる方向から提示することで、回答者が直感的に同じ答えを選ぶのではなく、内容を吟味するよう促します。

 

また、逆転項目の導入は、信頼性評価の際にも重要です。心理尺度の信頼性を測定するための一般的な手法の一つに、クロンバックのα係数があります。この係数は、質問項目間の内的一貫性を評価する指標であり、尺度全体の信頼性を示します。しかし、逆転項目が正しく処理されていない場合、α係数の計算結果が誤ったものになる可能性があります。具体的には、逆転項目の点数を反転処理せずにそのまま使用すると、通常項目との間で負の相関が生じ、内的一貫性が低いと誤って評価される可能性があります。そのため、逆転項目の点数は必ず反転処理を行う必要があります。たとえば、7段階評価のリッカート尺度を使用する場合、「7→1」「6→2」…「1→7」といった形で点数を反転させます。これにより、通常項目と逆転項目が同じ方向で評価されるようになり、正確な信頼性評価が可能になります。

 

さらに、逆転項目の設計や導入においては、いくつかの注意点があります。一つ目は、逆転項目の数や配置に関する配慮です。逆転項目が少なすぎると、その効果が十分に発揮されない可能性があります。一方で、逆転項目が多すぎると、回答者に混乱を与えたり、回答への負担を増加させたりするリスクがあります。そのため、逆転項目の数は適切なバランスを保つことが重要です。また、逆転項目をランダムに配置することで、回答者が特定のパターンを予測することを防ぎます。

 

二つ目の注意点は、逆転項目の文言の明確さです。逆転項目が曖昧な表現や複雑な言い回しで書かれている場合、回答者が質問の意味を誤解する可能性があります。その結果、逆転項目の目的が達成されず、信頼性や妥当性が低下する可能性があります。したがって、逆転項目を設計する際には、簡潔でわかりやすい文言を使用し、回答者が意図を正しく理解できるようにする必要があります。

 

最後に、逆転項目の効果を最大化するためには、適切なデータ処理と分析が必要です。逆転項目を含むデータセットを分析する際には、反転処理が正確に行われているかを確認し、その後に信頼性や妥当性の評価を行います。また、逆転項目に関するデータを個別に分析することで、回答者の回答傾向やバイアスの影響をさらに詳細に検討することができます。

 

総じて、逆転項目は心理尺度の構成において重要な役割を果たしており、正確かつ信頼性の高いデータを収集するための不可欠な要素です。適切な設計、導入、データ処理を行うことで、逆転項目は質問紙調査の品質向上に寄与し、心理学や社会学、さらにはビジネス分野など幅広い領域で有用なツールとして活用されています。

 

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