陰性尤度比|【統計学・統計解析用語】
陰性尤度比(−LR)は医学検査の信頼性を示す指標で、検査結果が陰性の場合に非患者と患者の識別能力を数値化する。この値は(1−感度)/特異度で計算され、小さいほど検査の信頼性が高いことを意味する。医療現場では、感度や特異度と共に、より正確な診断や適切な治療計画の立案に役立てられる重要な指標である。
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陰性尤度比
陰性尤度比(Negative Likelihood Ratio: −LR)は、医学検査の性能を評価するための指標の一つです。
この指標は、特に検査結果が陰性であった場合に、その検査がどれだけ信頼できるかを数値化したものです。
つまり、検査結果が陰性である人々に焦点を当て、その検査結果がどの程度正確に非患者(健康な人)と患者(病気の人)を区別できるかを表します。
この指標は、(1−感度)/特異度の式で計算されます。
感度は、実際に病気の人を病気であると正確に識別できる検査の能力を表します。
一方、特異度は、健康な人を正確に健康であると識別できる検査の能力を意味します。
陰性尤度比は、これら二つの指標を組み合わせたもので、検査結果が陰性の際に、その検査結果が偽陰性(病気であるにも関わらず検査で健康と判定されるケース)の可能性をどの程度下げることができるかを示します。
−LRの値が小さいほど、検査結果が陰性の場合にその人が健康である確率が高いことを意味します。
つまり、陰性の検査結果が得られた場合、その検査は高い信頼性を持っていると評価されます。
逆に、−LRの値が大きい場合は、検査結果が陰性であってもその人が病気である可能性を排除できないことを示し、検査の信頼性が低いと考えられます。
実際の医療現場では、医師は様々な検査手法を駆使して診断を下しますが、どの検査を選択するかはその検査の感度、特異度、そして陰性尤度比などの指標を総合的に評価して決定されます。
例えば、ある疾患を診断するためには非常に高い特異度を持つ検査が望ましい場合がありますが、同時に偽陰性のリスクを最小限に抑えるために、低い−LRを持つ検査を選択することも重要です。
このように、陰性尤度比は医療現場において非常に重要な役割を果たします。
検査の選択において、単に感度や特異度だけでなく、−LRを含めた複数の指標を考慮することで、より精度の高い診断が可能になります。
また、患者に対してより適切な治療計画を立てるための重要な情報を提供します。
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