円グラフ:扇形の面積により構成比の大小がわかる|記述統計の手法【統計学・統計解析講義基礎】
円グラフは、丸い図形を扇形に分割し、全体を100%として、その中に占める項目の構成比を表したグラフ。記述統計の視覚化の手法の一つ
円グラフ:全体を100%とした項目の構成比
データを整理して平均を求めたり、表やグラフを作成して分析したりするのが「記述統計」です。
データの裏に潜む本質を理解する上で、記述統計は大変重要です。
さて、記述統計でデータをグラフ化するときによく使われるのが円グラフです。
円グラフは、丸い図形を扇形に分割し、全体を100%として、その中に占める項目の構成比を表したグラフです。
扇形の面積により構成比の大小がわかるので便利です。
この円グラフを最初に考えたのは誰でしょう。
@フィッシャー
Aナイチンゲール
Bニュートン
Cパスカル
フィッシャーは現代統計学の父といわれ、実験計画法の礎を築いた人として有名です。
パスカルは数学者、哲学者であり確率論の創始者でもあります。
答えはフィッシャーかパスカルか、・・・・いや、事実は小説よりも奇なりの通り、答えはナイチンゲールです。
円グラフとナイチンゲール
フローレンス・ナイチンゲール(英国:1820-1910)は「近代看護教育の生みの親」と呼ばれています。
一方、ナイチンゲールは統計学の専門家であったことは、日本ではあまり知られていません。
彼女は若い頃、「近代統計学の父」と言われたアドルフ・ケトレーを信奉し、数学や統計に強い興味を持ったと言われています。
イギリス政府によって看護師団のリーダーとしてクリミア戦争に派遣され、献身的に負傷兵の治療にあたるとともに、病院内の衛生状態を改善することで、傷病兵の死亡率を劇的に引き下げました。
そのクリミア戦争における死因分析で、ナイチンゲールが表現した方法が円グラフの最初といわれています。
グラフの大きな面積を占める箇所は感染症が原因による死亡を示しています。