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フィッシャーと実験計画法の統計学【統計学講義基礎】 | 統計学講義700選-医療・社会・ビジネス直結の統計学セミナー-

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フィッシャーと実験計画法の統計学【統計学講義基礎】

 

統計的推測の基礎を確立したR.A.フィッシャー(1890-1962)は、数理統計学の歴史に不朽の名を残した統計学者の1人です。

 

精密標本分布論、推定論、検定論の多岐にわたり実に多くの貢献を果たしたフィッシャーですが、このような統計理論の業績と並び、もっとも高く評価されなければならないのが実験計画法です。

 

ケンブリッジ大学を卒業して間もなく、フィッシャーは、ロザムステッド農事試験場に統計分析の責任者として赴任します。

 

そこでは、育種交配実験が繰り返され、交雑の効果を測定しなければならないという仕事が山積していました。

 

土質や気候の変化から発生する影響を除去し、交雑の効果を推定するためには、統計的分析以前にデータを均一な条件の下で慎重に取らなけらばなりません。

 

フィッシャーは、このような実践上の問題から、いわゆるフィッシャーの3条件と呼ばれる原則すなわち反復(replication)、無作為化(randomization)、局所管理(local control)を設け、実験計画の考えかたを体系化していきました。

 

ここで重要なのは、管理された条件のもとで計画的にデータをつくり出すという考え方です。

 

これは旧来の統計学には見られなかった思想です。

 

フィッシャーは統計理論の数学的厳密性を重視し、実際それは彼の統計的推測の理論で実現させました。

 

しかし実践家でもあったフィッシャーは、自身の理論を実際のデータ解析に用いるには、データにどのような条件が必要となるか、またそのようなデータをどのようにして作り出すか、これらもまた問題にしました。

 

その結果が実験計画法だったわけです。

 

人間を対象にした調査データでは、このような完全に管理されたランダムなデータを得ることなどはほとんど不可能です。

 

しかし、「だから何でもよい」というのではなく、だからこそ逆にフィッシャーから実験計画法の精神を学ぶ必要があります。

 

どんなに優れた手法よりも、よいデータを手に入れること、すべてはこれに尽きます。

 

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フィッシャーと実験計画法の統計学【統計学講義基礎】

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