薬の効果と4タイプの謎を解く方法【ChatGPT統計解析】
薬の効果を正確に評価するためには、薬を飲むか飲まないかによる4つのタイプの人々(薬を飲んでも治る、飲んだら治る、飲んだら治らない、飲んでも治らない)の数を知る必要があります。しかし、現実には誰がどのタイプかはわかりません。ランダム化研究では、これらのタイプの人々をランダムに薬を飲むグループと飲まないグループに分けます。理想的には各タイプの人が均等に分けられるべきですが、実際にはたまたま偏りが生じることがあります。そのため、得られたデータから薬の効果を正確に判断することは難しいです。層別ランダム化などの方法を用いても、誰がどのタイプかを事前に知ることができないため、完全な解決策にはなりません。結果的に、本当の薬の効果を完全に把握することは不可能です。
▼▼▼▼▼▼▼▼
チャンネル登録はこちら
薬の効果と4つのタイプの人たち
薬を飲むか飲まないかによって翌朝に風邪が治るかどうかを考えてみましょう。
「薬を飲むか飲まないか」の2択の原因と「風邪が治るか治らないか」の2択の結果があるので、2×2=4タイプの人がいることになります。
どういう人たちかと言うと、
Type A: 薬を飲んでも飲まなくても治る人
Type B: 薬を飲んだら治るけど、薬を飲まなかったら治らない人
Type C: 薬を飲んだら治らないけど、薬を飲まなかったら治る人
Type D: 薬を飲んでも飲まなくても治らない人
です。
なんと、どのタイプの人が何人いるかわかれば、ランダム化研究なんかしなくたって、薬の平均的な効果がわかってしまうのです。
例をあげてみましょう。
例えば、100人の風邪をひいた人がいたとします。
このうち、
Type Aの人が40人
Type Bの人が15人
Type Cの人が10人
Type Dの人が35人
いたとします。この100人全員が薬を飲んだとすると、風邪が治るのはType Aの人とType Bの人です。Type Cの人とType Dの人は治りません。
よって、風邪が治る割合は、
(40+15)/100=0.55(55%)
となります。
もしこの100人全員が薬を飲まなかったら、という場合、今度はType Aの人とType Cの人は治るけれども、Type Bの人とType Dの人は治らないということになります。
よって、100人全員が薬を飲まなかった場合に風邪が治る割合は、
(40+10)/100=0.50(50%)
となります。
したがって、リスク差は0.55−0.50=0.05,リスク比は0.55/0.50=1.1です。
4つのタイプそれぞれの人数がわかると、理想のコントロール結果までわかるので、本当の薬の(平均的な)効果がわかるということです。
しかし、実際には、誰がどのタイプの人なんてわかりませんよね。
だから、現実には、4つの対応それぞれ何人いるかなんて集計できるはずがないのです。
薬を飲むグループと飲まないグループのランダム割り付け
そこでランダム化研究の登場です。
この4つのタイプの人たちを、薬を飲むグループと飲まないグループにランダムに割り付けるのです。
理想的には、この4つのタイプの人たちが均等に薬を飲むグループと飲まないグループにちょうど半分ずつ割り付けられることになります。
単純に、グループごとに風邪が治った割合を計算して比較すれば、薬の(平均的な)効果がわかることになるのです。
しかし、人数がとても多いときを除いて、単純ランダム化をすると、たまたま薬を飲むグループにType Bの人が多くなったり、たまたま薬を飲まないグループにType Cの人が多くなったりしてしまうことがあるのです。
そうなると、グループ間の風邪が治った割合の違いが、薬によるものなのか、たまたま薬を飲むグループに薬が効きやすい人が集まっただけなのかが、わからなくなってしまいますね。
これでは本当の薬の効果はわかりません。
だったら、層別ランダム化などの方法を使って、4つのタイプの人たちが均等に薬を飲むグループと飲まないグループに割り付けられるようにすればいいのでは? と思うかもしれませんが、残念ながらそれはできません。
誰がどのタイプの人だか、実際にはわからないからです。
薬に効果があるように見えても、それはたまたま薬を飲むグループに薬が効きやすい人が集まっただけなのかもしれません。
結局、本当の薬の効果がどのくらいあるのかは誰にもわからないのです。
関連リンク