変動(広がり・ばらつき)の測度:変動は誤差を表す要素|範囲・標準偏差・分散【統計学・統計解析講義基礎】
範囲、標準偏差、そして分散といった変動の測度は、データの特徴を十分に表現するために必要となる。誤差とは、どんな研究においても参加者間に見られる個人差という、自然に生じる事柄であり、これらの個人差を捉えて理解するために必要
変動(広がり・ばらつき)の測度:変動は誤差を表す要素
範囲、標準偏差、そして分散といった変動の測度は、データの特徴を十分に表現するために必要となります。
第2のタイプの記述統計量です。すでにおわかりのように、中心傾向の測度が第1のタイプです。
変動の測度は、広がりの測度、あるいはばらつきの測度とも呼ばれ、それぞれの得点が互いにどのくらい離れているかを反映しています。
より正確に言えば、変動とは、データにおけるそれぞれの値が、ある特定の値とどのくらい異なっているかを表す距離、あるいは量です。
ほぼすべての変動の測度において、その特定の値とは代表値、特に平均値です。
データの変動を測定するために用いられる3つの記述統計量は、範囲、標準偏差、分散です。
範囲・標準偏差・分散
範囲とは、これら3つの測度の中では最も精密ではありませんが、データにおける最大値と最小値の間の距離です。
範囲は、計算するのに最も簡単な値であり、得点が互いにどの程度異なっているかについて、最も大雑把で粗い見積もりを与えてくれます。
標準偏差は、ある特定の値、すなわちデータの代表値である平均値から、それぞれの値までの距離の平均的な大きさです。
標準偏差は、最も頻繁に報告される変動の測度です。
また、多くのより進んだ統計的手法のためにも用いられます。
標準偏差と同様、記述的な道具としても、より進んだ統計量の計算においても用いられます。
これらの変動の測度は、それぞれ、データの特徴を理解するために重要な情報を与えてくれますが、概念としての変動は、統計学全体の学習にとって非常に重要です。
なぜなら、推測統計を含む手法の背後にある基本的な考え方の多くは、変動を誤差を表す要素として用いているからです。
誤差は、誤りや不正確さと混同すべきではありません。
そうではなく、誤差とは、どんな研究においても参加者間に見られる個人差という、自然に生じる事柄であり、これらの個人差を捉えて理解するために必要となるものです。
以上が、理論と実践の両方における、変動の役割です。
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