データ入力の準備|【医療統計学・統計解析】
データ入力の準備
症例報告書や臨床試験データベースの様式にもよるが,コンピュータに臨床試験データを入力するためにはいくつかの手順が必要となる.
まず最初に行われるべきことは,症例報告書において鉛筆書きであったり,患者IDなどの入力に必須となる項目に記入漏れがないかなどといった単純なチェックであり,目視により入力に際して,問題がないかという確認を行うことである.
次に,入力のための準備として考えられるのが,データコーディングである.
たとえば,施設名を入力する場合に症例報告書の施設名として記載されている漢字をそのまま入力する場合と,コード化して入力する場合が考えられるが,「北海道大学」と「北大」といったような記載の不統一は充分に考えられるため,コード化しておく方が集計・解析においては取り扱いが容易である.
しかしながら,コード化して入力したい場合には施設名のように担当医師にコードを記入してもらうことが考えにくい項目も多く,施設名記入欄にコード記入欄を設けてあることが多い.
このような場合に施設コードを網がけの欄に記入することがデータコーディングである.
なお,実際に症例報告書の網がけの欄に記入することもあるとは思われるが,このような記入欄の存在を入力オペレータへの注意喚起として利用して,入力マニュアルなどで規定された施設コードを入力時に直接コンピュータに入力してしまうことの方が多いと思われる.
データコーディングが終了すれば,実際にデータパンチャー(入力オペレータ)が症例報告書の内容をコンピュータ上に入力することになる.
そして,実際に入力を行うためには入力の手順やルールを記載した「入力マニュアル」を作成しておく必要がある.
入力マニュアルは単にデータパンチャーが戸惑わないようにという目的だけではなく,複数のデータパンチャーがいても皆が同じようにデータ入力が行われるようにすること,および欠測値などの入力ルールなどを明確化しておくというような品質管理の観点から欠かすことのできない重要な意味を持つ.
関連記事