消費者セグメンテーション|【ビジネス統計学・統計解析】
消費者セグメンテーション
企業が新製品を開発して市場で販売していく場合、「その製品がどのように消費者に普及していくのか」を考える問題は、企業経営では重要であり、新製品の普及過程と呼ばれます。
アメリカにおける500を超える製品の普及過程の研究により、消費者が、新製品の採用を決定するまでの時間のヒストグラムは、以下の図のような正規分布で近似でき、さらに、採用決定までの時間により、消費者を次の5つのセグメントに分類できることが実証されました。
新製品採用決定時間分布
@イノベーター(革新的採用者)
分布の標準偏差をsとして、各消費者の採用決定時間の平均値を中心として、2シグマより早い時間で採用する人。全体の2.5パーセント以下を占めます。
彼らは、他の消費者が新製品の採用をしない状況で先行して購入し、社会全体からは「あたらし物好き」または「変わり者」と評価されます。
他の人々への影響力は、必ずしも大きくありません。
A初期多数採用者
次の2シグマから1シグマの時間の間に採用する人。累積で約16%までに入るこれらの人たちは、イノベーターがあまりにも革新すぎるのに比べ、やや慎重な態度をもちます。
多くの情報を入手して冷静に行動し、他の人々に影響を与えるオピニオンリーダー的役割を果たします。
B前期多数採用者
彼らは先行する少数の採用者から情報を集め、新製品の採用では慎重な態度を示す人と評価されます。
C後期多数採用者
平均的に採用が遅れるが、平均から平均+シグマで採用する人。社会全体が採用し終わったあとでようやく採用する人たちで、用心深い、あるいは流行に惑わされない態度をもちます。
D採用遅滞者
平均+2シグマ以降に採用する人。新しいものに対して、一般に拒否反応を示します。
このように、消費者を特性に基づいて分類することは、消費者セグメンテーションと呼ばれます。
マーケティング戦略は、セグメントごとに異なるため、消費者セグメンテーションは、実用上重要です。
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