ビジネスと統計|【ビジネス統計学・統計解析】
ビジネスと統計
日々ITの技術は進歩しており、そのスピードも加速していく一方です。
10年ひと昔前と言われますが、今では数年経てばライフスタイルが変化するような新しいサービスが生まれるようになってきています。
スマホの登場、フェイスブックやツイッターのようなSNS、アマゾンのようなネットショッピングサービス、グーグルのようなインターネット情報サービス。
これらは数年間で急速に普及し、今では生活になくてはならないインフラにまでなっています。
我々消費者は、彼らのサービスを利用することで便利に生活することができます。
スマホを使ってグーグルで情報を検索し、アマゾンで商品を注文し、ファイスブックやツイッターで大勢の友達に連絡する。
このような生活は、以前ではパソコンをフル活用していた一部の人達しかできませんでした。
今では、スマホを使うことで誰でもできるようになっています。
このように、数年から10年で急成長し、今や大企業になっているIT企業に共通して言えることは、データをとても大事にしているということです。
データをきちんと保管し、それを正しく分析することで、顧客のニーズを正確に把握できます。
そしてそのニーズに合ったサービスを行うことで、顧客満足度を上げ、収益を拡大していくことができます。
つまり、データ分析によって事業の拡大を成功させた企業達が、アップル、グーグル、フェイスブック、ツイッター、アマゾンのようなIT先進企業達なのです。
データ分析を行うためには、
@データを正しく記録保管する
Aデータを正しく分析する
という2つのポイントが重要になります。
IT技術が進歩することによって、データを溜めるデータベースの機能も高度になったため、データを正しく分析するためには、さまざまな能力が要求されます。
データサイエンティスト
データを正しく分析できる人材は、データサイエンティストと呼ばれています。
データサイエンティストはアメリカでも希少な人材と言われており、マッキンゼーは2013年に、今後10年間でデータサイエンティストが約20万人不足すると発表しました。
日本でも多くの企業でデータ分析の専門家が不足しているという調査結果もありました。そのため、これからは企業が最も必要とする人材だと言われています。
私のもとにも、日々ヘッドハンティングの連絡が来ます。
どの会社も、データを分析して会社の業績を伸ばす人材を探していて、年収は最低でも1200万円から、最大で2000万円と高いものばかりです。
ハーバードビジネスレビューは2013年2月号で、データサイエンティストは今世紀で最もセクシーである、と発表しています。
このような背景があって、データの重要性が再認識され、データを分析する専門家が注目されています。データをフル活用することで業績が上がった企業がたくさんあります。
データを活用しなくても、業績を上げ続ける自信のある会社であれば、データ分析の専門家は必要ないかもしれません。
しかし実際、多くの企業は、データを分析する重要性に気づき始め、何らかの取り組みにチャレンジしています。
データ分析自体は、IT企業に限らず、老舗の大企業でも昔から行われています。
そのような企業や部署では、統計家、分析官、マーケター、アナリストなどの呼び名でデータを扱う方々が活躍していました。
実際にグーグルは2009年、今後10年間で最も魅力的な職業は統計家(Statistician)であると公言しています。
しかし、グーグルやアマゾンのように、データを使って企業を急成長させるには、これまで行ってきた統計的分析(統計解析やデータ分析とも言います)とは違ったレベルのデータ活用を行わなくてはなりませんでした。
それを表現した言葉が、ビッグデータであり、ビッグデータを活用できる人材が、データサイエンティストなのです。
ビッグデータという呼び名は、データの大きさや量だけを指しているわけではありません。データの種類や頻度も包含した表現です。
ビッグデータの3つの定義
Volume 量が多い テラバイトからペタバイト級
Variety 種類が多い 数十から数百万種類
Velocity 頻度が多い 1秒に1000個
単に大きいデータを扱えれば良いというわけではなく、ビジネス課題を解決するためにさまざまな種類のデータを組み合わせたり、問題が起こってから意思決定するまでの時間を短縮するため、リアルタイムに分析したりしなくてはなりません。
そのために、これまで多くの企業が行ってきた統計的分析とは違ったスキルが必要で、ある意味パラダイムシフトとも言えることが起こりました。
ビッグデータを活用するためには、高度なスキルを持ったデータサイエンティストが必要だと言われてきました。
データサイエンティストは、
@MBA取得者レベルのビジネス課題の問題解決能力
A長年の経験を積んだエンジニアレベルのプログラミング
B修士や博士号取得者レベルの統計学の知識
の全てが必要です。
しかし、これららのスキルを全て持ち合わせた人材はほとんどいないため、実際にプロジェクトを進めるときには、それぞれのスキルを持った専門家がチームを組んで進めていきます。
そのように進めていこうとしても、日本には純粋に統計学を専門とする学科がないため、統計学の知識を持った専門家は多くはいません。
また、昔ながらの統計学ではビジネスに直結しないこともあります。
こうした問題を解決することが、今後のデータサイエンスの課題であるといえるでしょう。
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