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外的妥当性とデータ分析

外的妥当性(external validity ； 外部妥当性）とは，他の環境や標本に対する，研究結果の一般化可能性をいう．

研究は，ある特定の時点でのある特定の集団の人々のみに関して，変数間の関係を発見するために行われることはほとんどない．

研究の目的は，一般に，ゆるぎない永続的な関係を明らかにすることであり，その知識を，人問の健康や良好な状態を改善するために利用できるようにすることである．

研究している看護介入が効果的であるとわかれば，ほかの人たちもそれを取り入れたいと考えるだろう．

したがって，他の環境で，違う患者に対しても，介入がうまくいくかどうかが重要な課題となる．

研究は，標本がより広範な母集団を代表し，また，研究設定環境と実験計画が，他の周囲環境を代表しているかぎり，外的に妥当である.

テスティング

事前テストによる事後テストの対象の得点への影響を，テスティング(testing)という．

とくに意見や態度をあつかうような，いくつかの研究では，人々からデータを収集するという行為そのものが，それらの人々を変化させるということが報告されている．
たとえば，看護学生を対象に，自殺幇助“２に対する態度について，質問紙調査を行うとしよう．

続けて，質問紙調査ののちに，自殺補助に対してなされてきたさまざまな賛否両論，判例などを学生に説明し熟知してもらう．

最後に同じ態度測定を行って，学生の態度が変わったかどうかを観察する．

ここでの問題は，最初の質問紙が学生を意識させ,その結果,その後の説明にかかわらず，態度が変化するということである．

この研究で比較群をもちいない場合，説明の効果を，事前テストの影響と区別することが不可能になる．

真の実験では，テスティングは問題にならないだろう．

なぜなら，その影響はすべてのグループにほぽ均等に及ぶと考えられるからである．

しかし，ソロモン４グループデザインは，研究者が介入の効果を事前テストの影響から分けたい場合に使うことができよう．

意識化，またはテスティングの問題は，事前テストのデータが自己報告（例：質問紙による）の場合，とりわけ，事前テストで論議のある，または新奇性のある題材に対象者をさらした場合に生じやすい．

生物生理学的データを含むような，いくつかの看護研究では，テスティングの影響は主な懸案事項ではない．

外的妥当性と標本抽出

研究の外的妥当性の側面の１つは,標本抽出（サンプリング）デザインの適切さである．研究標本が母集団を代表していれば，一般化はそのまま行える．

厳密にいえば，研究結果は，標本を無作為に抽出したもととなる母集団にだけ，支障なく一般化できるものである．

たとえば，ヘロイン依存症患者のために新しく開発された治療法の効果を調べようとして，デトロイトにある薬物治療センターの依存症患者の母集団をはじめに選んだとしよう．

この母集団から，ヘロイン使用者の無作為な標本を，対象として抽出できよう．

次に，その対象を処理またはコントロール条件へと無作為に割り付ける．

研究の結果，その治療法が，この依存症患者の標本において，常習性を減らすのに効果的であるとわかったとして，北米のすべての依存症患者にその治療が有益であると結論できるだろうか．

残念ながら，それは否である．ある特定の施設で治療を受けているヘロイン依存症患者の母集団が，他の北米の施設でもあてはまるとは限らない。

外的妥当性（external validity；外部妥当性）は、研究結果が異なる環境や異なる標本にも一般化できるかを問う概念であり、看護学や社会科学を含む多くの分野で重要な検討要素とされています。外的妥当性が高い研究は、特定の集団や設定に限らず、他の類似した状況にも適用できる普遍的な知見を提供する可能性があります。研究は、通常、特定の時点で特定の集団における変数間の関係を明らかにするだけでなく、その関係性が他の状況や集団に対しても適用できるのかを確認することが求められます。これは、特定の集団に対する一時的な結果に留まらず、他の集団や異なる環境にも同じような影響や効果が確認されるかを明らかにするためです。例えば、看護学の研究である介入が特定の患者に対して有効であると確認された場合、他の患者や病院など異なる環境でもその介入が同様に有効であるかが検証されるべきです。こうした外的妥当性の重要性は、看護介入が一つの集団に有効であったとしても、他の環境や異なる患者においても同じ効果が見られるかを確認することが治療効果の普遍性を示すために不可欠であるからです。一般に、研究は科学的に裏付けられた信頼性の高い知見を提供し、人々の健康や生活の質の向上に役立てることが目的とされています。従って、看護介入の効果があると証明された場合、その知見を他の医療者や患者が活用することが考えられ、さらに大規模な集団においてもその効果が再現されることが望まれます。外的妥当性が確保されている研究は、より多くの患者に対して介入を実施する際に重要な指針となり得ます。研究において外的妥当性が成立するためには、標本が広範な母集団を代表することや、研究の設定や環境が他の実際の環境を再現していることが求められます。これにより、他の環境における再現性や一般化可能性が担保され、医療や看護の現場での適用が可能となります。一方で、外的妥当性に影響を及ぼす要因には、標本抽出の適切さや、研究デザインの選定、またデータ収集方法が挙げられます。例えば、標本が母集団を適切に代表していない場合、研究結果を他の集団に一般化することが難しくなり、外的妥当性が損なわれる可能性があります。また、研究設定が特殊なものである場合、実際の臨床環境に適用する際に同様の効果が得られないリスクが生じるため、実際の医療環境における再現性が問われます。特に看護介入の効果を測る研究においては、標本が偏っていると、他の環境や集団にその結果を適用する際に誤解を生む可能性があります。テスティング（testing）の問題も外的妥当性に関わる重要な側面であり、事前テストが事後テストの結果に影響を与える場合に問題視されます。特に意見や態度を扱うような研究では、データを収集する行為そのものが対象者に影響を及ぼし、その結果研究結果の一般化可能性が損なわれる場合があります。例えば、自殺幇助に関する態度調査を看護学生に行う場合、事前の質問紙調査が学生に意識変化を促し、後の説明内容に関係なく態度に変化が生じる可能性があります。この場合、事前テストによって得られる結果が実際の介入効果と混同され、真の効果を把握するのが難しくなるリスクがあります。このようなテスティングによる影響を避けるために、真の実験デザインでは全てのグループに対してほぼ均等な影響が及ぶように調整することが求められます。ソロモン4グループデザインは、テスティングの影響を避け、介入効果を明確にするために有効な方法です。ソロモン4グループデザインを用いることで、研究者は介入効果を事前テストの影響から分けることが可能となり、外的妥当性の向上が期待できます。テスティングの影響が生じやすいのは、事前テストが自己報告によるデータ収集である場合や、論議を呼ぶ内容や新奇な内容が含まれている場合が多く、研究者はその点に留意する必要があります。特に自己報告形式の質問紙調査では、回答者が調査内容に意識的または無意識的に影響を受ける可能性があり、外的妥当性を保つための適切な対策が求められます。さらに、生物生理学的データを含むような看護研究では、テスティングの影響が懸案事項とならない場合が多いものの、それでも慎重にテスト条件を設定することが外的妥当性の維持に繋がります。標本抽出（サンプリング）もまた外的妥当性を保つための重要な要素であり、研究標本が母集団を代表している場合、得られた結果の一般化が容易になります。特に、無作為抽出による標本を用いた研究は、特定の集団に限らず幅広い集団に対しても結果を適用できる可能性が高まります。しかし、研究結果は、無作為抽出が行われた母集団に対してのみ無理なく一般化できるものであり、他の集団への適用には慎重さが求められます。例えば、ヘロイン依存症患者の新しい治療法の効果を調べる場合、デトロイトにある薬物治療センターの依存症患者の母集団を基に無作為抽出した標本で結果を得たとしても、それが北米全体の依存症患者にも適用できるかは慎重に検討する必要があります。特定の施設での研究結果が他の施設や地域においても同様の結果をもたらすかどうかは不確実であり、そのためのさらなる研究が必要とされます。