治療評価の段階|【統計学・統計解析講義応用】
治療評価の段階
治療を評価し,提示された通りに試験結果を解釈するためには.研究の目的を理解する必要がある.
これらの目的は,便宜上,臨床試験の調査の段階を特徴づけるためにFDA (Food and Drug Administration)が作成した.
すべての試験は,適切なサンプルサイズ(sample size)を確保して,不必要に複雑化することを避けるために大規模実践的試験の教訓に従うべきだが,潜在的な治療が第V相または第IV相試験の実施を必要とするまで,特定の大規模実践的試験の問題は重要とはならない.
最初の2つの試験(第1相,第n相)は,意図している治療の作用機序に対する毒性,明らかな合併症および生理学的サポート(physiologic support)の根拠となる初期の評価に焦点を当てている,
これらの相では,(試験の相にかかわらず.適切な目的もなく詳細を収集することは資源の無駄だが)シンプルな点のみに注目することよりも詳細な情報に注目することは重要となる.
第V相は,一般的に「主要な相(pivotal phase)」と呼ばれており.臨床現場(clinical practice)で治療を使うべきかどうかを決めることを目的とした状況下において,治療を評価する役割を果たす.
与えられた医療技術において,第V相試験の目的は,市販の薬剤(製品)の承認または不承認である.
第V相試験の適切な評価項目は,生存時間,主要な臨床イベント,生活の質(quality of life, QOL)およびコストといった,患者にとって重要だとみなすことのできる評価を含んでいる.
臨床的アウトカムに対して良好な効果が出ている適切にデザインされた臨床試験は,臨床診療の変更を促し,規制当局による市場参入(sales and marketing)の承認を確実にする.
治療が規制当局に承認され,使用できるようになった後,第IV相試験が始まる.
伝統的に,第IV相試験は.観察結果および有害事象の報告に基づいて,治療を使用するための,より効果的なプロトコールを作成するために,治療の使用を監視するものとみなされている.
さらに,第IV相試験は,ある適応で既に承認された薬剤の新しい適応を開発するためにも使われる.
この相の重要性は,臨床診療の中で経験する多くの状況は,規制当局の承認までに完了したランダム化試験では得られていないという認識の観点から導かれている.
第IV相試験の例として,(心不全の患者におけるアンギオテンシン変換酵素阻害剤の低用量と高用量のいくつかを実施している比較のように)新しい投与方法の評価および治療の使用に関する前向きな登録試験がある,
これらの試験の例として. National Registry of Myocardial Infarction, Can Rapid Risk Stratification of Unstable Angina Patients Suppress Adverse Outcomes with Early Implementation of the American College of Cardiology (ACC)/American Heart Association (AHA) Guidelines effort (現在,両者はNational Cardiovascular Data Registry-ACTION registry の一部に含まれている), Society of Thoracic Surgeons Database などがある.
効果のある治療が増加するにつれて,第IV相試験は効果のある上市されている治療と他の治療を比較するためのものとみなされてきている.
ある例では,治療の用量変更または適応拡大のため第IV相試験の必要性が生じている.
他の例では,第m相試験では特定の治療評価の適切な比較をしていなかった.
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