リポーターと話す理由【統計解析講義応用】

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リポーターと話す理由|【統計学・統計解析講義応用】

リポーターと話す理由【統計解析講義応用】


目次  リポーターと話す理由【統計解析講義応用】

 

 

リポーターと話す理由

 

報道機関とかかわることを嫌う科学者もいるが,報道されることで,一般社会の理解が進み.研究が加速し,結果人類の健康に役立つことも知っておく必要がある。
スポーツや天災.人災同様に,健康に関するニュースは人々の関心を引く話題である.

 

NIHのミッションは,米国における臨床研究を企画しサポートするだけではなく,研究の進捗を一般に公開することも含まれている.

 

国民の大多数が,メディアから健康や医学に関する情報を得ている.

 

そのために,科学者はレポーターが連携することを通して,一般社会と関わっていくことができるようになる.

 

リポーターが科学者と話したい理由

 

リポーターは,様々な理由があって科学者と話す機会を得ようとしている.下記に具体例を挙げる.

 

信頼性

 

専門家や関係者からのコメントを盛り込むことで,記事の内容の信頼性が上がる.

 

例えば,ヒ卜ES細胞研究についての報道では, NIH所長からのコメント. NIH幹細胞タスクフォース(NIH Stem Cell Task Force)の委員長,またはその分野でよく知られているNIH研究者からのコメントが,できる限り記事に盛り込まれていた.

 

また,リポーターが臨床研究の結果を取材している場合には.研究者や患者の意見が求められる.

 

NIHとしては,メディアから患者のプライバシーを守る必要がある.

 

患者自らがメディアと関わりたいと思う場合もあるが,その際にも,患者が義務感を感じたり,世間から過剰に期待されていると感じるためにメディアと関わろうとしているのかを確認する必要がある.

 

・明瞭さとリアリティ.専門家からのコメントは,編集者の意見や論説よりも,内容を明確に伝えることを可能にする場合がある.リポーターの言葉で書かれた同じ情報よりも,より興味深く,読みやすい内容となる場合がある.

 

・緊張感.リポーターが専門家のコメントを求める理由の1つとして,専門家の意見の中には大衆の関心を引くような論争のヒントが含まれることがある.そのため,リポーターの取材を受ける際には,慎重に言葉を選ぶ必要があるし,必要であれば事前に相談し,十分に準備をするべきである.特に他の科学者の意見に対するコメントを求められたときには,慎重な対応が必要となる.

 

・限られた時間.リポーターができるだけ早く新しいニュースを伝えることを目的としているのに対し.科学者は慎重に注意深く正確な情報を提供することを第一としている.結果,両者で衝突することもある.

 

科学者にとっては,十分に準備をする時間もないままに,インタビューの最後の最後まで意見を求められることは,不満につながることもある.

 

一方で,リポーターにしてみれば,ニュースの移り変わりは,1日24時間,1週間は7日と非常に速いサイクルで行われるために,数時間以内に記事にまとめ上げる必要があり,専門家の意見を借りる場合がある.

 

インタビューを積極的に受けるよう科学者を促すものではないが,通常,レポーターに意見を求められてから,実際の締め切りまでの間には.自分の意見をまとめるだけの十分な時間があるものである.

 

リポーターと話さなければならない理由

 

場合によって.研究代表者(PI)はリポーターと直接話をする必要はない.

 

むしろ公式NIH広報担当者(spokesperson)にリポーターに対して研究について語らせるか電子メールを介して声明を送信することもできる.

 

しかし,これはリポーターにとっては満足できることではない.

 

広報担当者は,通常その分野の専門家ではないし.研究に関与している科学者ほど信憑性のある話をすることはできないからである.

 

臨床研究者(つまりあなた)が専門家なのである.

 

NIH広報担当者は,危機や重要な政策課題に関わるニュースにおいて. NIHの見解を述べる.

 

彼らはあなた(臨床研究者)が記者と話をする準備を支援することができる.

 

NIHは研究者がインタビューを受ける適切な人物ではないと判断しない限り,またはリポーターのモラルが欠けているという証拠がない限り記者と関わることを推奨している.
リポーターと話すことには明らかな利益がある.

 

文脈を離れてあなたの意見が誤解されるというリスク以上に,リポーターと話すことにはメリットがある.

 

・ニュースの精度を改訂することができる.多くの科学リポーターは,知識と豊富な経験をもっているが.科学的,医学的問題について.すべてを知っているわけではない.優れた科学リポーターであっても専門家の意見を受けて重要性,ニュアンス,方法論を理解する必要がある.

 

・NIHに支援的な環境を作る.専門家としてコメントすることで.IX学研究の重要性と人々の生活との関わりについて,社会の認知を商めることができる.ひいては. NIHと医学研究全体のための一般の支持を得るのに役立つ.

 

・米国民(American taxpayers)に対する義務. NIHは.納税者によって文持されているので,研究者は自分の研究を国民に対して説明する義務がある.義務を米たすためのベストな方法は,マスメディアを介して発信することである.臨床研究者は.臨床研究の進歩は,彼ら(国民)の生活に意味あるものであるのか否かについて.特に人々が理解するのを手助けする必要がある.研究者がメディアに関わることで,米国民の理解を進めることができる.

 

 

科学者の言葉の影響力の大きさ−実話

 

1997年にScience誌にある遺伝子に関する研究結果が発表されようとしていた.

 

すでに報道協定(Embargo)は2,3日前に解除されていた.

 

NIHはこの研究結果が乳がんに関心のある何百万もの女性に大きな影響を与えると認識していた.

 

そのため. NIHは,科学者と報道機関を集め,この発見が一般社会に与える影響について説明するために,NIH関連機関3ヵ所で,記者会見を行った.

 

会見では,女性の生活に与える影響,スクリーニング検査の有無,スクリーニング検査はいつから使用なのか.すべての女性が受けるべきなのか,すべての乳がんの原因になっているのか.など多くの質問に対する説明が行われた.

 

100人を超えるリポーターが集まり,十分な情報提供が行われ,結果は成功に終わった。

 

科学者は重要かつ正確な情報を発表することができ.一般社会の関心や不安に応えることができた.

 

今日では.対面的な記者会見(in-person press conference)の機会は少なくなってきている.

 

電話で対談することで,現地に足を運んでいた時間を節約することができるからである.

 

またインターネットの出現により,電話対談(telephone briefing)で得た情報をすぐにネット上に公開することができるようになった.

 

 

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