ベイズ意思決定法で拓く!未知への最適な一歩【ChatGPT統計解析】
ベイズ意思決定法は、事前に定めた事前確率に基づき、損失の期待値である危険関数を最小化する行動を選ぶ手法である。この方法では、各状況の発生確率を考慮し、その平均値が最小になる行動を選択する。例えば、ウイルスの有無を推測し、その結果に基づいて入国許可の判断を下す場合、実際の損失ではなく損失の期待値を最小にする行動を選ぶ。このアプローチは、実際の状況が未知である場合に、経験や予想を数値化した事前確率を用いて最適な決定を導く。ベイズ意思決定法は、確率としてではなく確信度として事前確率を扱い、統計学に経験や予想を組み込むことを可能にする。
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ベイズ意思決定法
危険関数は以下のように計算します。行動の決め方として、
@ウイルスがあると推測 ⇒ 入国不許可(停留)
Aウイルスがないと推測 ⇒ 入国許可
とすると、
@本当はウイルスがある ⇒ ウイルスがあると推測(確率0.8) ⇒ 入国不許可(損失−1000)
A本当はウイルスがある ⇒ ウイルスがないと推測(確率0.2) ⇒ 入国許可(損失10000)
この状況、この行動の決め方での損失の期待値は、
危険関数の値=(−1000)×0.8+10000×0.2=1200
となります。
以上から、損失は計算できないので、損失のかわりに「損失の期待値」である危険関数を最小にするような行動をとるのが、
もっともよい行動の決め方である、ということになります。
しかし、この場合、大事なことを忘れています。それは、危険関数はあるひとつの状況に対して決まっているだけで、いまの状況が決まらないと危険関数の値も決まらないということです。
しかし、いま、どの状況が起きているかはわかりません。
そこで、これまでの経験や勘、その他の情報から、どの状況が起きやすいかを考え、おのおのの状況が起きる確率をあらかじめ想定しておきます。
インフルエンザ問題の例ならば、あらかじめ、たとえば
ウイルスがある確率が1/1000
のように想定しておくわけです。
これは、経験や勘によってあらかじめ決めておく確率で、事前確率です。
事前確率を決め危険関数の期待値が最小になるような行動の決定
事前確率を決めたうえで、危険関数の値の平均が最小になるような行動の決め方を最終的に選びます。
つまり、おのおのの状況があらかじめ定めた事前確率にしたがって起きると考えて、危険関数の期待値(つまり、損失関数の期待値のそのまた期待値)を最小にする行動の決め方を選ぶことになります。
このことは、よく起きる状況に対応する危険関数の値は重視し、めったに起きない状況に対応する危険関数の値はあまり考慮しなくてもよい、という考え方を表しています。
事前確率は、確率と同じ形式をとっていますが、実際のところ確信度と考えてよいでしょう。
実生活のうえでは、確率という言葉は確信度の意味で使っていることのほうが多いように思います。
たとえば、ドラマで刑事が「彼が犯人である確率は非常に高い」と言っているのは、実際には確率ではなく、刑事の確信度を表しています。
事前確率の考え方を導入することによって、これまでの経験や勘、予想といったものを統計学に導入することができます。
このような、事前確率を導入した意思決定法をベイズ意思決定法といいます。
ベイズ意思決定法は、事前確率を活用したベイズ統計学の一手法です。
新型インフルエンザの問題の例をベイズ意思決定法の例にあてはめてみましょう。
日本政府の考えでは、ウイルスをもっている人を見逃す確率が大きい、という意見です。
つまり、検査をしてもしなくても損失はたいして変わらず、それならば検査のコストが無駄、ということを言っています。
もうひとつは、政府の想定していた対策はもっと毒性の強いインフルエンザに対するもので、今回のものは毒性がそれほどでもないことが途中でわかったので、その時点で対策を変えるべきだった、というものです。
つまり、ウイルスがもちこまれてしまったときに損失自体が小さいので、航空機内での検査をする必要はなかった、ということになります。
このような考え方は、身近にも見られます。
夏は卵料理をつくらない飲食店があります。夏は卵が痛んでいるという状況が起きる事前確率が大きいので、たとえ卵の検査をしたとしても、傷んだ卵を見逃して料理してしまい、食中毒を起こすという損失の期待値が大きくなります。
そこで、卵を売らないことによる利益の見逃し(機会損失といいます)に目をつむってでも、検査もせずにとにかく卵料理をつくらない、という行動のほうが危険関数は小さくなるとその飲食店は考えたわけです。
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