確率論と統計学の将来【統計解析コラム】

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確率論と統計学の将来|【統計学・統計解析コラム】

確率論と統計学の将来【統計解析コラム】


目次  確率論と統計学の将来【統計解析コラム】

 

確率は本当に必要か

 

統計革命の背後にある基本的な考え方は、科学にとっての実物は数値の分布であり、その分布は母数によって説明される、というものです。

 

確率論にそのような概念を組み入れることや確率分布を扱うことは数学的に便利です。

 

数値の分布を確率の数学理論からの要求として考えることで、これらの母数の推定量についての最適化基準を決めることや、分布を記述するためにデータを用いるときに生じる数学的問題を扱うことが可能になります。

 

確率には分布の概念がつきものであるように思われていますので、人々が確率を理解するように、また確率の数学的な考え方を実生活と結び付けようとすることに、そして科学実験や科学観察の結果を解釈するために条件つき分布という手法を用いることに、かなりの労力が費やされてきました。

 

分布という考え方は、確率論のほかにも存在します。

 

実際、講義分布(improper distribution)とは、確率分布に必要な要件をすべて満たしていないので広義の意味での分布ですが、これは量子力学やベイズ手法の一部ですでに用いられてています。

 

待ち行列理論の発展は、列に到着する平均時間が列の平均サービス時間に等しいという状況において、新しく列に並んだ人の待ち時間を表す変則分布へと結局のところつながりました。

 

これは、確率理論の数学を実生活の状況に適用するというケースが、われわれを確率分布の外へ導くことになった例です。

 

統計手法が天文学、社会学、疫学、邦楽、天気予報の観察研究に用いられる場合には、その意味をうまく規定できません。

 

これらの分野に起きる論争は、数学モデルが違えば違った結論になるという事実が基になっていることが多いです。

 

確率が計算できるように事象空間を特定できなければ、あるモデルが妥当でないのは他のモデルが妥当でないのと同じことなのです。

 

多くの訴訟事例で見てきたように、同じデータを扱ってきた二人の統計専門家が、そのデータ分析で一致しないこともあります。

 

政府や支持団体による社会的意思決定を支援するために観察研究に統計手法がますます用いられるにつれて、確率を求めるためにはあいまいさを許してはならないというこの基本的欠陥は、これらの手法の有用性に疑問を投げかけるでしょう。

 

 

統計学の将来

 

コルモゴロフの洞察は、記号の有限列の性質によって確率を証明することでした。

 

そこでは、情報理論は確率計算の結果として生まれたものではなく、確率それ自身の祖先でした。

 

おそらく誰かがコルモゴロフが置き去りにした知識の灯を拾い上げることになるでしょうし、まさにデジタル・コンピュータの性質が哲学的基礎をつくるような新しい部分理論を発展させることになるでしょう。

 

科学が確立してくる現場で、新たなRAフィッシャーが過去に誰も考えなかったような洞察や考え方を提示することは誰にも想像できませんでした。

 

おそらく、中国の内陸部のどこかで、新たなルシアン・ル・カムが無学の農業を営む家族に生まれていることでしょう。

 

または、北アフリカで、中等教育で学校教育をやめてしまった新たなジョージ・ボックスが職工として研究をしているかもしれません。

 

おそらく新たなカートルード・コックスが宣教師になるという希望を諦め、科学パズルや数学に惹きつけられていることでしょう。

 

もしくは新たなウィリアム・ゴセットがビール醸造時の問題の解決法を見つけようとしているかもしれません。

 

新たなネイマンやピットマンがインドの辺鄙な地方の大学のどこかで教鞭をとり、深い思索にふけっているかもしれません。

 

どこから次の偉大な発見が生まれるか、楽しみです。

 

 

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