臨床試験結果の提示【統計解析講義応用】

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臨床試験結果の提示|【統計学・統計解析講義応用】

臨床試験結果の提示【統計解析講義応用】


目次  臨床試験結果の提示【統計解析講義応用】

 

 

臨床試験結果の提示

 

臨床研究の結果を報告する方法は,情報を評価して,どの治療を使うか決定する医師の認識に大きく影響を与える.

 

臨床試験は,結果が最も好ましく提示されているとき,試験治療に大きな期待を与える.

 

このような問題が起こらないようにするために,研究者は臨床試験の結果を,点推定値(point estimate)の信頼区間(confidence interval)と共に相対リスク減少と絶対リスク減少の両者の観点から報告するべきである.

 

リスク減少に加え,正確な結果が与えられていて,医師が結果を異なる形で再検討するときでさえも,主要な結果の提示方法は,結果の認識に大きな影響を与える.

 

複数の試験で,結果が絶対的なリスク減少よりも相対リスク減少で提示された場合,内科医がその治療を推奨する傾向にあることが示されている.

 

相対リスク減少は,より大きな数値となるため,全く同じ臨床結果を報告しているにもかかわらず,このようなことが生ずる傾向にある.

 

この驚くべき問題は,大規模な,実践的試験の最も重要の特徴の1つを指摘している,

 

大規模試験は患者の保護に直接彬響を与えるであろう質問に対して答えようとしているから,結果を見る人は,概して地域社会(local community)の専門家をはるかに超えており,しばしば一般内科医,国民,記者を含む.計画はそれらの問題を適切に扱うために重要となる.

 

実用的な臨床試験の結果を報告するための1つの重要な基準は,治療された100人あるいは1,000人の患者当たり,より効果的な治療によって防ぐことができる不良転帰の数である.

 

この指標は,NNT (number needed to treat, 治療必要数)であり,調査した特定の母集団の結果を,特定の健康上の利益を生むために何人の患者の治療を必要とするかを定量化する公衆衛生上の用語に表現し直している.

 

絶対的な差は量的相互作用.すなわち.治療する患者のタイプに関連し,治療したときの一定の便益を達成するために治療が必要な患者の数の有意な差を評価するために用いることができる.

 

例として,血栓溶解療法(thrombolytic therapy)の利用が上げられる. Fibrinolytic Therapy Trialists (KIT) collaborationは,血栓溶解療法が前壁ST上昇の患者に使われたとき,治療した1,000人の患者のうち37人が助かり,一方,下壁ST上昇の1,000人の患者のうち8人が助かったことを示した.

 

治療効果の向きは同じだったが,効果の大きさが異なった.

 

 

考慮すべきNNTの計算の他の2つの重要な側面は,便益を達成するのに必要な治療期間とNNH (number needed to harm. 有害必要数)である.

 

5年間治療した100人の患者のうち1人を助けることは,1週間治療した100人の患者のうち1人を助けることと比べると,直観的にそれほど印象深くはないが,この問題はしばしば忘れられている.

 

NNTと同様に. NNHは簡単に計算できる.

 

このアプローチは,迎動時問など,離散値ではない評価項目ではより複雑になる.

 

評価項目が連続値である試験結果を表現する1つのアプローチは,臨床的に重要な最小の差(医師に診療方法を変えさせるような最小の差)を定義することであり,かつ,臨床的に重要な最小の差を達成するためのNNTに関する結果を提示することである.

 

NNTとNNHを計算する元となる試験が実際に治療をするであろう患者を登録する一般化可能な試験ではないとき. NNTとNNHの他の問題が生じる.

 

実際,適切な患者(例えば高齢の患者,腎機能障害をもった患者など)が除外されるとき,これらの簡単な計算は誤解を生ずる可能性がある.

 

一方,治療の相対的な利益は,生物学上の治療効果の最も良い測定方法である.

 

この概念は.より効果的な治療から得られるリスクの比例減少として定義され.一般的にオッズ比(odds ratio)または相対リスク減少(relative risk reduction)により表す.

 

相対的な治療効果は.質的交互作用(qualitative interaction)を評価するのに使うことができる.

 

質的交互作用は,治療された患者のタイプに応じて,治療効果の向きの統計的に有意な差を表している.

 

FTTの解析では,ST上昇がある患者の治療効果と比較して,ST上昇のない患者の治療効果は,不均一である.

 

特に有益なデータの提示方法はオッズ比のプロットである.

 

結果の絶対的な差と相対的な差の両方は,点推定値と信頼区間で表すべきである.

 

この提示形式により,点推定値の信頼区間のように,相対的かつ絶対的な差の両方が重要であるというバランスのとれた視点を読み手に与える.

 

信頼区間なしでは,読者は治療効果の推定値の精度を確かめることが困難である.

 

 

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