推計人口と自然増加|【社会経済統計学・統計解析】
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推計人口と自然増加
推計人口と自然増加
人口動態は一定期間内の人口増減を示すものであって、大きく自然増減と社会増減とに分かれる。
推計人口は基準人口(最新の国勢調査人口)に出生と死亡との差と、転入と転出との差を加算して求められる。
これに対して、日本の将来推計人口はコーホート要因法による推計であり、男女・年齢別人口を出発点として、仮定された女子年齢別出生率、男女・年齢別生残率、男女・年齢別人口移動率、出生性比を適用して将来人口を求めている。
したがって、将来推計人口な出生率、生残率、純移動率の仮定に依存する。
純移動の推計は全国(出入国者)より地域(地域間移動者)の方が困難が多い。
自然増減を示す基本的統計は人口動態統計である。
同統計は出生、死亡、婚姻、離婚、死産の全数を対象としており、自然増減と関連して各種の比率が定義されている。
出生率:年間出生数/10月1日現在日本人人口×1000
死亡率:年間死亡数/10月1日現在日本人人口×1000
自然増加率:自然増加数/10月1日現在日本人人口×1000
出生性比:年間男子出生数/年間女子出生数×100
死亡性比:年間男子死亡数/年間女子死亡数×100
出生率等の分母で10月1日現在日本人口を用いているのは、国勢調査を意識しているからである。
出生率と関連して、最近注目されている指標の一つに、合計特殊出生率がある。
これは、まず女子の再生産年齢期間を仮定したうえで、その間の女子の年齢別出生率を年齢ごとに合計したものである。
合計特殊出生率は年齢別出生率に従って女子が子供を産むと仮定したとき、1人の女子が再生産年齢を終えるまでに(すなわち一生の間に)産む平均的な子供の数を表している。
日本の合計特殊出生率は、時系列的に見ても、3.65(1950年)、2.13(1970年)、1.75(1980年)と推移しており、少子社会へ向かっている。
少子社会と将来の高齢社会の到来に対処するために、我々は社会経済面における抜本的な改革に迫られているのである。
なお、合計特殊出生率には、女子の死亡率が考慮されていない。
また仮説的なコーホートが想定されているなどについて注意が必要である。
しかし、いずれにしても、世界的に見て日本は少子社会である。
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