年齢別人口と指数|【社会経済統計学・統計解析】
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年齢別人口と指数
年齢別人口と指数
人口の基本属性の一つに年齢がある。
年齢別人口で利用されるものに、年齢構成指数がある。
まず、全人口を年少人口(0―14歳)、生産年齢人口(15―64歳)、老年人口(65歳以上)と3分割する。
この区分は、ゆるい形で義務教育までの年代、労働市場への参加年代、退職後の年代という区分に対応している。
高齢化や高学歴化が進めば、別の年齢区分も可能であるかもしれないものの、通常この3区分が利用されている。
年齢構成指数は次の算式で定義される。
年少人口指数=年少人口/生産年齢人口×100
老年人口指数=老年人口/生産年齢人口×100
従属人口指数=(年少人口+老年人口)/生産年齢人口×100
老年化指数=老年人口/年少人口×100
従属人口指数は、生産年齢人口1人当たりが養う扶養人口の割合をパーセント表示したものであり、年少人口指数と老年人口指数はその内訳を示す。
老年化指数は若年と高齢との比であるから、一国全体としての高齢化(または若年化)の傾向を示す。
年少人口指数の動向の特徴は、戦前が高い値で安定していたのに対して、戦後は一時期反転するが、低下傾向を示していることである。
これは、戦後の少子化(分母の増加もある)を反映している。
一時期の反転は第二次ベビーブームの影響で年少人口が増加したことを示している。
次に、老年人口指数は、戦前はゆるい形ではあるものの低下傾向を示している。他方、戦後は一貫して上昇しており、特に1970年以後は、急テンポで上昇している。
両指数の和である従属人口指数は、戦前には70前後で安定していたのに対して、戦後は1950年から1970年にかけて急激に低下し、それ以後は40台で推移している。
同指数の低下期は日本の高度成長期に一致しており、この時期は人口面から見ると生産年齢人口が扶養すべき人口負担が低下していた時期であったことがわかる。
1970年以後の動向は年少・老年両人口指数の相反傾向がみられる。
老年化指数は戦前は13.0前後で安定しているが、戦後は14.0から一貫して上昇し、2000年には老年人口が年少人口を上回ったことから100を超え119.1となった。
特に1980年以降は急ピッチで上昇している。
これは少子化と高齢化の相乗効果を反映している。
国立社会保障・人口問題研究所による将来推計人口によれば、2025年には65歳以上人口は全人口の28.7%を占め(約4人に1人以上が老年人口)、老年化指数は246.5にも達する。
このような動向に対しては高齢者対策が重要となる。
人口面からもう一つ注意すべき点がある。
それは老年人口の男女の性比である。
2004年での性比は女子を100とすれば男子は73.1であり、高齢者対策はこの点の配慮も必要である。
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