治療の相互作用が予測できない場合【統計解析講義応用】

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治療の相互作用が予測できない場合|【統計学・統計解析講義応用】

治療の相互作用が予測できない場合【統計解析講義応用】


目次  治療の相互作用が予測できない場合【統計解析講義応用】

 

 

治療の相互作用が予測できない場合

 

多くの一般的な疾患は,ある程度効果のある複数の方法で治療することができる.

 

が,臨床試験では2つ以上の治療方法を同時に評価することは稀である.

 

エビデンスは,このことは間違いかもしれないことを示唆している.

 

アブシキマブ(abciximab)が開発されたとき,ヘパリンとのその薬力学的および薬物動態的相互作用は容易に特徴づけられた.

 

しかしながら,その2つの薬物の臨床効果の相互作用は簡単には知ることはできなかった.

 

一連の臨床試験の流れの中で.アブシキマブの全用量が,通常用量以下のヘパリンと結合すること,経皮的インターペンションにおける出血率が,ヘパリン単独の全用量と同様のレベルまで低下すること,そしてアブシキマブ全用量やヘパリンの通常用量と比較して,効果は予期せず改善することが示された.

 

この結果は,それらの物質の知られている生物学かつ薬理学からは簡単に予測することはできなかった.

 

アスピリンとアンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)についての継続している論争はこの問題を取り上げている.

 

両治療とも心血管系疾患の患者に有効であるが,生理学的試験からのエビデンスはアスピリンのプロスタグランジンへの効果はACEIの血管への効果を取り消してしまうかもしれないことを示唆している.

 

臨床試験の後向き評価(retrospective evaluation)は不確かであった.

 

他の多くの相互作用が注意深くデザインされた要因試験を通して発見される可能性があったかもしれない.

 

興味深い予期せぬ良い相互作用は,高血圧治療におけるカルシウムチャネル遮断薬(calcium channel blocker)とACEIの組み合わせである.

 

ACEIを加えたときに,血圧への効果が相加的であるだけでなく,末梢浮腫(カルシウムチャネル遮断薬の一般的な副作用)の著しい減少もまたみられることは驚くべきことである.

 

 

予期できないかもしれない長期的効果

 

外科的治療が評価されるとき,治療の短期的かつ長期的な効果が異なるという概念は最も容易に理解できる‥患者は通常,長期的な便益を得るために,手術による死亡あるいは罹患のリスクをとる.

 

この原理はまた,いくつかの急性薬物療法にもあてはまる.

 

実際,線溶療法は最初の24時間の死亡リスクが増加するが,それ以降,死亡に対する効果を発揮する,

 

最近のピオグリタソン(pioglitazon)の論争2992は,シグナル(この場合膀胱がん)は,糖尿病試験の典型的な期間を十分越えた最初の1年の治療後に現われてくる.

一般的なデザインの考察

 

臨床試験の結果が整った,もしくは試験がデザインされたとき,その試験の目的は,状況に応じた結果を出すことが重要となる.

 

試験をデザインする者は,プロジェクトを構築し,試験の意図を反映するような方法で結果を発表する責任がある.

 

小規模の第n相試験では,バイオマーカーの病理生態学的結果の向上は刺激的であり,研究者がその結果に対する臨床的な示唆を誇張して述べることになるかもしれない.

 

同様に,ほとんどデータを収集しない大規模試験では,注意深く計画されたサブ試験が行われない限り,疾患の仕組みについて有益な情報をほとんど得られない.

 

試験の構造的な特徴は,その特質に応じて分類することができる.

 

 

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