期待値:意思決定の指標|購入単価<期待値⇒買えば買うほど得【統計学・統計解析講義基礎】
ビジネスやギャンブルでは、期待値を意思決定の指標とする。購入単価<期待値であれば買えば買うほど得、購入単価>期待値であれば買えば買うほど損
期待値:意思決定の指標
宝くじは、たくさん買った方が、1億円が当たる確率が高まるので、たくさん買ったほうがよいという人がいます。
しかし、果たしてそれは本当でしょうか。
例えば、以下の簡単な例で考えてみます。合計100本のくじがあり、賞金は以下であるとします。
賞金1000円 2本
賞金100円 10本
賞金0円 88本
賞金総額は全部で、1000×2+100×10=3000円です。
100本で3000円ですから、1本あたり30円の賞金獲得が期待できるという計算になります。
あくまで期待できるという話で、1本買えば必ず30円が手に入るという保証はありません。
しかし、たくさん買えば、1本あたり30円程度の見返りは期待してよいでしょう、ということになります。
この30円のことを期待値といいます。
宝くじに限らず、あらゆるギャンブルはこの期待値を考える必要があります。
期待値を意思決定の指標にしましょう。
購入単価と期待値の関係
購入単価<期待値 ⇒ 買えば買うほど得をする
購入単価>期待値 ⇒ 買えば買うほど損をする
ということになります。
さて、問題の宝くじですが、1枚300円の宝くじの期待値は、約140円といわれています。
つまり、宝くじは買えば買うほど損をするのでしょう。
運よく1億円が当たる人は確かにいます。
だからといって自分もそうなるとは限りません。
300円といえども大切なお金です。
冷静に期待値を考えて買うか買わないか判断するようにしましょう。
では次の場合はどう考えたらよいでしょうか。
賞金の入った2つの封筒があるとします。
一方には、他方の2倍の金額が入っています。今、1つの封筒を選択したら10000円入っていました。
大金なので喜んでいたら、「今選んだ封筒を止めて、もう一方の封筒に変えてもいい」と言われました。
さて、あなたならどうしますか。統計学的に考えてみましょう。
@封筒を変える
A封筒を変えない
さて、片方の封筒には他方の2倍の金額が入っているので、他方の封筒に入っているのは5000円か20000円です。
5000円なら損しますが20000円ならさらに得することになります。
ここで、封筒を変えた場合の期待金額を計算すると、
5000×0.5+20000×0.5=12500円 となります。
封筒を変えない場合の期待金額は10000円ですので、理論的には封筒を変えたほうが得ということになります。
これが1億円となると、5000万円か2億円かという話になりますが、まあ1億円がもらえれば、普通はリスクを負って変えることはしないでしょう。
高額になるほど実際には変えないと想像できます。