ローレンツ曲線|横軸に累積相対度数・縦軸に累積相対所得【統計学・統計解析講義基礎】

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ローレンツ曲線|横軸に累積相対度数・縦軸に累積相対所得【統計学・統計解析講義基礎】

ローレンツ曲線|横軸に累積相対度数・縦軸に累積相対所得【統計学・統計解析講義基礎】
ローレンツ曲線とは、所得、人口、販売高などの、一定のグループへの集中の度合いを観察できる曲線のこと。横軸に累積相対度数、縦軸に累積相対所得をとり、各点をプロットして直線で結んだもの。


目次  ローレンツ曲線|横軸に累積相対度数・縦軸に累積相対所得【統計学・統計解析講義基礎】

 

ローレンツ曲線(Lorenz Curve)

 

度数分布表を活用すれば、所得分配の不平等度や人口集中の程度などを視覚的に捉える図、すなわちローレンツ曲線(Lorenz Curve)を描くことができます。

 

ローレンツ曲線とは、所得、人口、販売高などの、一定のグループへの集中の度合いを観察できる曲線のことです。

 

所得分配に関するローレンツ曲線の描き方を説明します。

 

表は、50人からなる会社の1ヶ月の給与に関する度数分布表で、50人の月間平均給与を低い順に並べて、5つの階級に分類しました。

 

「所得」の列は、各階級ごとに、その階級に所属する社員が受け取る給与の総額を示しています。

 

したがって、この列の値は、(階級値)×(度数)で求められます。この列の総和は、すべての社員に支払われた給与総額になります。

 

「累積所得」とは「所得」の累積額、そして「累積相対所得」は、所得の総和(総所得)に対する累積所得の比率を示しています。

 

表をもとに、横軸に累積相対度数、縦軸に累積相対所得をとり、各点をプロットして直線で結んだものがローレンツ曲線です。

 

所得に関するローレンツ曲線はとくに、所得分配線とも呼ばれています。

 

ローレンツ曲線が原点と(1,1)点を結ぶ45度線に近いほど所得分配は平等であり、逆に、45度線から離れるほど所得分配は不平等となります。

 

なぜかというと、まず「所得分配が完全に平等」とは、すべての社員がまったく同一の給与を支払われている場合です。

 

この場合、総所得に対する各個人の所得の割合はすべて一定となり、

 

Aさんの所得/総所得=Bさんの所得/総所得=・・・=1/社員の総数

 

という関係が成立します。

 

この場合、ローレンツ曲線は45度線となります。このことから、45度線は完全平等線(もしくは均等分配線)を呼ばれます。

 

一方、「所得分配が完全に不平等」とは、(非現実的ですが)1人を除いたすべての社員は給与を支払われず、1人だけが給与を支払われる場合です。

 

この場合、

 

Aさんの所得/総所得=Bさんの所得/総所得=・・・=0

 

唯一給与をもらった人の所得/総所得=1

 

という関係が成立します。

 

この場合、ローレンツ曲線は原点から(1,0)までの横軸と、(1,0)と(1,1)点を結んだ直線、すなわちアルファベットのLを裏返したような曲線となります。
この曲線のことを完全不平等線といいます。

 

ローレンツ曲線は、観測する対象の性質や観測方法により形状が変わるので、1本のローレンツ曲線から、所得分配の不平等度や一定のグループへの集中の度合いを決めることはできません。

 

むしろ、複数のローレンツ曲線を同時に描き、どの曲線がより45度に近いかを議論するためのものであると理解すべきでしょう。

 

 

所得分配におけるローレンツ曲線

 

ローレンツ曲線|横軸に累積相対度数・縦軸に累積相対所得【統計学・統計解析講義基礎】

 

この例は、所得分配に関するものです。

 

ローレンツ曲線は45度線の下側ばかりでなく、軸の選び方により上側に位置することもあります。

 

曲線が45度に近いほど平等で、逆に45度線から離れるほど不平等であると解釈されます。

 

 

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