重回帰分析は行列計算により1行で可能|エクセル行列関数の活用【統計学・統計解析講義基礎】
重回帰分析における回帰係数の計算は行列計算により1行で可能。TRANSPOSE、MMULTなどのエクセル行列関数により分析が可能
重回帰分析は行列計算により1行で可能
行列の計算が出来れば重回帰分析は簡単に行うことができます。
多変量解析の手法の多くは行列計算・線形台数の理論に落とし込むと実は少ない手順の数式展開で解くことができます。
逆に言えば、行列を使った計算を理解し習熟すると多変量解析の理解は格段に高まります。
例えば重回帰分析の場合、行列を使えば
という1行の計算で回帰係数を解くことができます。
なぜそうなるかの理論的詳細は多くの線形代数の教科書に記されているので参考にしてみてください。
エクセル行列関数による重回帰分析
行列計算はExcelでも出来ます。
例えば、先の血糖値データの重回帰分析について、上の行列の計算式をExcelで実行すると以下のようになります。
X ⇒ Xの転置行列Xt ⇒ Xt X ⇒ Xt Xの逆行列 ⇒ 逆行列×Xt ⇒ 逆行列×Xt×Y
という手順で以下Excelシートの上から順番に計算すれば、最終的に回帰係数が求まります。
Excel関数は、転置には=TRANSPOSE、 掛け算には=MMULT、 逆行列は=MINVERSE、を用います。
最初に範囲を選択し、これら関数を入力してから、Shift+Ctrlを押しながらEnterキーを押すと計算できます。
多変量解析は、行列計算・線形代数の理論に落とし込むことにより少ない手順で計算することができます。
Excelでも計算できるので興味のある人はチャレンジしましょう。