一元配置法で因子の影響を徹底解析!【ChatGPT統計解析】
一元配置法は、特定の因子の影響を調べるための実験計画法であり、因子の水準数や繰り返し数に制限はない。総変動を因子間変動と誤差変動に分解し分散分析を行うことで因子の効果を検定する。この方法では実験をランダムな順序で行い、データを適切に整理・変換して計算する。分散分析表の作成には修正項や総変動、自由度などを求める手順を踏む。例として、4人の分析担当者の分析値に差があるかを調べる実験では、計16回のランダムな実験を通じて分散分析を実施。結果、因子間の有意差が認められ、担当者間で分析値に違いがあることが判明した。この手法は、因子の影響を明確にするための有効な統計解析法である。
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一元配置法の統計学
一元配置法の実験は、ある特性値に対して、1つの因子の影響を調べたいときに用いられます。
したがって、この計画を用いる場面は、
@要因の調査がある程度進んで、残った大きな因子についての影響を調べたいとき
A多くの要因の効果があると考えられるが、大づかみにある1つの因子の影響を調べたいとき
などです。
この計画の実験では、因子の水準数、各水準ごとの繰り返し数には特に制限はありません。
いずれの場合でも、この計画のデータを分散分析するには、基本的には、総変動を因子間変動と誤差変動に分解して検定することになります。
繰り返し数が一定の場合
この計画の実験では、とり上げた因子の各水準ごとに同数のくり返し実験を行ってデータがとられます。
一般に、因子Aについてk水準をとり、各水準ごとにn個の繰り返しを計画した一元配置法の実験では、表のようなデータが得られます。
この場合、全実験はランダムな順序で行うのが原則であり、このため乱数を用いて実験順序を決定します。
分散分析の方法
例題1
いま、分析課に4人の分析担当者がいます。
この各担当者の分析値に差があるかどうかを調べるため、標準試料を同一装置で各4回ずつ繰り返して分析させることとしました。
計16回の実験はランダムな順序で行い、次表のようなデータを得ました。
各担当者の分析値に違いがあるかどうか検討せよ。
この例題は、水準数k=4、繰り返し数n=4の一元配置法による実験です。
以下、このデータを例にとって分散分析の手順を示します。
分散分析の手順
手順1 原データのグラフ化
原データをグラフに表し、因子の効果の概略を把握します。
この図より、各分析担当者ごとにかなりの分析誤差が認められますが、それ以上に分析者間に大きな差があるようです。
この差を統計的に検定するため、以下の解析を行います。
手順2 原データの集計
原データについて、各水準の計、総計、および総平均値を求めます。
なお、この結果は手順3における原データの数値変換のチェックに用いたり、各水準の母平均の推定の際に用いたりします。
総平均値:
手順3 原データの丸めと変換
計算を簡単にするため、原データの丸めと変換を行います。
@ 原データの変動部分が2〜3桁になるように下位から丸める
A 丸めたデータから一定数(なるべく総平均値に近いラウンド・ナンバー)を引き、データが整数になるように簡単な数h(100, 10, 5, 2など)を掛けます。
つまり、変換後のデータは次の式のようになります。
このステップは、互いにどちらを先にやっても構いません。
この例題1は原データの変動部分が2桁であり、したがってAの数値変換のみを行えばよいことになります。
この変換の結果をまとめると、以下表のようになります。
変換後は、変換データから総平均値を求め、先に原データから求めた総平均値と比較して、変換に誤りがないかチェックします。
変換データから求めた総平均値は、
原データから求めた総平均値は、
両者は一致しています。したがって、変換には誤りがないものと考えられます。
なお、原データが変換を必要としていない場合は、原データ表を表のごとく見立てて以後の計算を行います。
手順4 補助表の作成
変動の計算に必要となる変換データの二乗表を作成し、総計を求めます。
手順5 変動の計算
修正項(correction factor, 略してCF)を求めます。
総変動Sを求めます。
因子Aの水準間変動SAを求めます。
誤差変動SEを求めます。
なお、SEを求める別法としては、
となります。
手順6 自由度の計算
各変動の自由度を求めます。
総変動の自由度:
因子の水準間変動の自由度:
誤差変動の自由度:
手順7 分散分析表の作成
手順5、6で求めた変動および自由度を、以下表のような形式の分散分析表にまとめます。
原データを変換のうえ計算している場合は、変換をもとに戻すため各変動に1/h2を乗じてから分散分析表を記入します。
この例題1では、各変動に1/h2=1/100を乗じてから表を作成しました。
s.s.:sum of square 偏差平方和、変動
d.f.:degree of freedom 自由度
m.s.: mean square 平均平方、不偏分散
Fo:平均平方(不偏分散)の比。観測値から求めた値なので、observed value(観測値)のoをつける。
上表の結果から、因子Aの各水準間の変動について、
ならば有意差なし、
ならば有意水準5%で有意差ありと判定して、分散分析表中のFoの数値の右肩に星印をつける。
また、
ならば、有意水準1%で有意差ありと判定して、分散分析表中の右肩に星印をつけます。
この判定法を図示すると以下のようになります。
この例題1では、
したがって、
すなわち、因子の水準間の変動は、誤差変動に対して有意水準5%で有意差が認められます。
この結果、4人の分析担当者には、標準試料の分析値の出し方に差があることが認められました。
一元配置法は、統計学における分散分析の一手法であり、特定の因子が実験結果に与える影響を明らかにするための基本的な実験計画法です。この方法では、一つの因子を複数の水準で操作し、その因子の水準間で結果に違いがあるかを検定します。因子の水準数や実験の繰り返し回数には制限がなく、研究者が実験の目的に応じて柔軟に設定することができます。実験データを収集した後、総変動を因子間変動と誤差変動に分解し、それぞれの分散を計算することで因子の効果を検定します。一元配置法の基本的な考え方は、結果のばらつきがどの程度因子による影響で説明できるかを測ることにあります。このとき、因子の効果が有意であるかどうかを判断するために、分散分析を用います。分散分析では、まず総変動(全体のデータのばらつき)を、因子による変動(因子間変動)とその他の要因による変動(誤差変動)の2つに分解します。この変動分解の基礎となるのが分散分析表であり、分散分析表には修正項や総変動、自由度、平方和、平均平方、F値、p値などが含まれます。これらの指標を計算する手順としては、まず全てのデータ点の合計から修正項を計算し、それを基に平方和を求めます。次に、自由度を考慮して平均平方を算出し、最終的にF値を計算します。このF値が統計的に有意である場合、因子の効果が有意であると判断できます。一元配置法の適用例として、4人の分析担当者によるデータのばらつきを調べるケースを考えます。この実験では、各担当者が分析を4回ずつ繰り返し、計16回の実験を行います。データ収集後、実験結果をランダムな順序で整理し、分散分析を実施します。具体的には、各担当者の分析値の平均値を計算し、これを基に因子間変動を求めます。一方、各データ点がそのグループの平均値からどの程度離れているかを基に誤差変動を計算します。分散分析表を作成し、F値とp値を計算することで、担当者間に統計的に有意な差があるかを検定します。この例では、分析の結果、因子間変動が誤差変動を上回り、担当者間で分析値に有意な差があることが明らかになりました。このように、一元配置法は、特定の因子が結果に与える影響を明確にするための有効な手法です。この手法の特徴は、実験をランダム化することで外部要因の影響を最小限に抑える点にあります。ランダム化された実験設計は、実験結果の偏りを防ぎ、より信頼性の高い結論を導くための重要なプロセスです。また、一元配置法は、研究の初期段階で因子の影響を簡単に検証するために適しており、複雑な実験計画の基礎を築くためにも利用されます。さらに、この手法はさまざまな分野で応用されており、例えば、教育分野では異なる教授法が学生の学力に与える影響を調べる実験や、医療分野では異なる治療法の効果を比較する実験などに用いられています。一元配置法を効果的に活用するためには、データの前提条件を満たしているかどうかを確認することが重要です。例えば、データが正規分布に従うことや、各グループの分散が等しいことなどが前提となります。これらの前提条件が満たされていない場合、結果の信頼性が損なわれる可能性があるため、事前にデータを確認する必要があります。また、実験計画段階で十分なサンプル数を確保することも重要です。サンプル数が少ないと、統計的検定力が低下し、因子の効果を見逃すリスクが高まります。したがって、事前に必要なサンプルサイズを計算し、適切な実験計画を立てることが求められます。一元配置法を学び、実践することで、研究者はデータ解析能力を向上させるとともに、実験結果の解釈においてより客観的な判断を下すことができるようになります。さらに、この手法を他の分散分析手法と組み合わせることで、より複雑な因果関係を解析することが可能となり、実験計画法の応用範囲を広げることができます。
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