金利に関する統計【社会経済統計解析】

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金利に関する統計|【社会経済統計学・統計解析】

金利に関する統計【社会経済統計解析】


目次  金利に関する統計【社会経済統計解析】

 

金利に関する統計

 

金利に関する統計

 

公定歩合を中心として,長期プライムレート,コールレート,手形レート,預貯金金利,貸出公利,債券流通利回りなどの各種金利は相互に有機的な関連をもち,一つの体系を形成しているため金利体系とも呼ばれている。

 

以下,代表的な金利について説明しよう。

 

第一に,公定歩合(日本銀行)は一国の金利水準を示す代表的な指標である。

 

公定歩合とは,日本銀行法に基づいて日本銀行が取引先の金融機関に対して手形を割り引いたり,貸付を行ったりする場合に適用する金利であって,その上げ下げを通じ,金融政策や景気政策の方向を示す。

 

したがって,公定歩合によって,日本銀行の景気判断を知ることもできる。

 

というのは,一般に,金融引き締め期は公定歩合は引き上げられ,緩和期は引き下げられるからである。

 

公定歩合は日本銀行の政策決定機関である政策委員会の金融政策決定会合(議長は日本銀行総裁)により景気動向,為替動向などを総合的に判断して上げたり下げたりされており,過去の公定歩合の推移は日本銀行『金融経済統計月報』に掲載されている。

 

この金利が,公定歩合と呼ばれる理由は,日本銀行法によって日本銀行がその貸出の基準となる金利を公告しなければならないことになっていることのほか,1969年8月までは日歩(100円当たり1日何銭)で表示されていたためである(1969年9月以降は年利表示)。

 

公定歩合が引き上げられれば,他の金利も上がるし,引き下げられれば,他の金利も下がるのが普通である。

 

ただし,預貯金金利は郵便貯金金利と銀行預金金利に分かれているので,両方の金利をいっしょに下げたり,上げたりする必要があり,財務省,日本郵政公社,日本銀行が調整して決めるのが普通である。

 

このように公定歩合はその国の金利体系の中核となっているため,その国の金利水準を示す指標と見られているのである。

 

第二に,長期プライムレートとは,銀行が優良企業向けに資金を1年以上貸し出すときの代表的な金利であって,長期金利の水準を見る指標である。

 

過去の長期プライムレートの変化は日本銀行『金融経済統計月報』に掲載されている。

 

長期プライムレートを変更するときは各銀行がそれを発表するので,発表の翌日の新聞紙上に掲載される。

 

長期プライムレートは景気が過熱,または資金がひっ迫するようなときには引き上げられ,逆に景気が低迷しているときは資金需要も減退するので,引き下げられる。
長期プライムレートがどのように変更されるか見ていれば,景気の状態がわかるといえる。

 

ただ,長期プライムレートの変更は硬直的であり,その点に注意する必要がある。

 

 

第三に,短期金融市場金利がある。

 

これは,代表的な自由金利であり,金融機関の間で資金を融通するインターバンク・マーケットと,企業なども加わるオープン・マーケットに二分される。

 

日本銀行はインターバンク金利を直接,問接に操作することによって,金融を調節している。

 

短期金融市場金利はその口その口の資金需給,季節的要因で小きざみに動くこと,経済情勢の変化は資金需給にはね返り,それが金利の上下動という形で現れることから,その動きを見ることによって,資金需給の実態,その背景となる経済の動き全体を把握することができる。

 

ただし,短期市場金利が景気変動を表す指標であるとはいえ,季節的に変動することに注意しておく必要がある。

 

一般的にいって,企業の決算期に当たる3月には資金需給が旺盛で短期レートは高くなる。

 

また,法人税の納入期である6月も同じ傾向かある。

 

日本銀行はこうした季節性をなくすような金融調節に努めている。

 

短期金融市場金利の代表的なものがコールレートである。

 

コールとは,主として銀行の手形交換尻の決済など,短期資金のやりくりに利用される。

 

このコールは「呼べば答える」というようにごく短期で回収できるので,このような名前がついたといわれている。

 

コールは短資業者が,出し手,取り手の金融機関と情報を交換,資金需給の実勢に沿って金利が決まり,日本銀行が短資業者からの報告をまとめている。

 

ただし実際には,日本銀行がしばしばその日の金利水準を「誘導」している。

 

供給者(出し手)から見るとコール・ローン,需要者(取り手)から見るとコール・マネーである。

 

コールレートとは,通常,無担保コール翌日物の出し手のレートをいう。

 

コールレートが高くなると,通常コール市場から資金を取り入れて企業などに融資する都市銀行などの貸出態度も厳しくなるので,コールレートの動きは,公定歩合に次いで金利面での日本銀行の判断を表すといえる。

 

手形市場,正式には手形割引市場は,コールと同様に金融機関同士が短期資金を融通し合う場である(1971年5月に発足)。

 

各金融機関が優良手形とそれを見返りに振り出した手形を割り引いて資金を調達する。

 

有担保コールが最長6日物であるのに対して,手形は1週間物から1年物と比較的長いのが特徴である。

 

手形(売買)レートとは手形の割引レートのことである。

 

対象になる手形は日本銀行も売賈し,重要な金融調達手段になっている。

 

第四の代表的な金利は,銀行等の貸出約定平均金利である。

 

これは,金利自由化が進む中で,公定歩合や長期金利の変動が実際の金融市場でどの程度浸透したかを判断するモノサシとして,また貸出金利の実勢を判断する指標として重視されている。

 

この貸出約定平均金利には「短期」(期間1年未満)と「長期」(期間1年以上),そして短期,長期を合わせた「総合」の三種類がある。

 

これらのうち,全体の動きを把握するのは「総合」である。

 

ただし,統計の対象になっているのは国内銀行の貸出だけであり,在外支店の貸出は入っていないことに注意を要する。

 

 

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