産業と企業に関する統計|【社会経済統計学・統計解析】
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産業と企業に関する統計
産業と企業に関する統計
産業に関する最も基本的な統計は事業所・企業統計調査(指定統計:総務省が実施)である。
事業所・企業統計調査(5年に1回の調査,中間年に簡易調査を実施)は,個人経営の農林漁家を除く製造業,卸売・小売業,サービス業など全国のすべての事業所を対象として,事業の種類,経営組織,従業者数などを調査し,日本の産業構造や事業経営の実態を明らかにすることを目的としている。
結果は総務省統計局『事業所・企業統計調査報告』に収録されている。
この報告書には,第1巻事業所に関する集計,全国結果,第2巻会社企業に関する集計,全国結果,第3巻事業所及び企業に関する集計,都道府県別結果,第4巻解説編などがある。
ここで,事業所とは「物の生産またはサービスの提供を業とし,一区画を占めて経済活動が行われている個々の場所」のことをいう。
この調査は,事業所を対象とした毎月勤労統計調査などの各種統計調査のための国民経済計算体系やその他の加工統計の基礎資料を提供することも目的としている。
1947年に第1回調査が実施され,96年の第16回調査からは「企業」に関する事項を加えて,「事業所・企業統計調査」と改称された。
そして,2004年の第19回調査は大規模な調査の中間年に当たる簡易な調査(簡易調査としては2回目)として実施された。
なお, 2004年調査は商業統計調査及びサービス業基本調査と同時に実施されている。
調査の単位は,原則として一区画の場所で同一の経営者が事業を営んでいる事業所である。
同一経営者が異なる場所で事業を営んでいる場合は,それぞれ異なる場所ごとに1事業所となっている。
なお,以下の産業については特例を設けている。
@鉱業:鉱物を採掘,採石している現場は,諸帳簿を備えて現場を管理している事業所や営業所などに一括して1事業所とされる。
A建設業:作業の行われている工事現場,現場事務所などは,それらを直接管理している本社,支店,営業所,出張所などに一括して1事業所とされる。
B鉄道業:駅,車掌区,車両工場などは,それぞれ1事業所とされる。ただし,駅,車掌区などの名称をもっていても,駅長,区長など管理責任者の置かれていないものは,単独で1事業所とせず,管理責任者のいるところに一括して1事業所とされる。
C学校:同一の学校法人に属するいくつかの学校,たとえば大学,高等学校,中学校,小学校,幼稚園などが,同一構内にあるような場合には,それぞれ1事業所とされる。
D国及び地方公共団体の機関:(1)本来の行政事務を行う国の機関は,国家行政組織法の規定により設置される府,省,庁,委員会ごと,場所ごとに1事業所とされる。(2)立法事務,司法事務及び本来の行政事務を行う地方公共団体の機関は,議決機関,執行機関及び委員会ごと,場所ごとに1事業所とされる。(3)立法事務,司法事務及び本来の行政事務でない現業的業務を行う機関は,上記の機関と同一場所にあっても別の事業所とされる。
また,個人経営の農林漁家以外にも,次の事業所は対象外とされている。
@標準産業分類の中分類の「家事サービス業」,「外国公務」に属する事業所。
A収入を得て働く従業者のいない事業所。
B休業中で,従業者がいない事業所。
C季節的に営業する事業所で,調査期日に従業者がいないもの。
D劇場,遊園地,運動競技場,駅の改札口などの有料施設の中に設けられている事業所。
E家事労働のかたわら,特に設備をもたないで賃仕事をしている個人の世帯。
ここでいう従業者とは,調査期日現在,その事業所に所属する従業者(個人業主,家族従業者,有給役員,臨時・日雇)のことである。
ただし,休職者及び長期欠勤者(3ヵ月以上)は除かれる。
2001年に行われた大規模調査における調査項目は,事業所に関する事項としては,@名称,A所在地,B経営組織,C本所または支所の別,D開設時期,E従業者数,F事業の種類・業態,G形態,であり,さらに企業に関する事項としては,H本所等の名称・所在地,I登記上の会社成立の年月,J資本金額及び外国資本比率,K親会社・子会社等の有無及び親会社の名称・所在地,L支所・支社・支店の数,M会社全体の常用雇用者数,N会社全体の主な事業の種類である。
ただし,国公共企業体,地方公共団体の事業に対する乙調査では,@,A,E,Fについてのみ調査している。
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