財政の仕組みと現状|【社会経済統計学・統計解析】
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財政の仕組みと現状
財政と金融に関する統計
日本の財政と金融の制度と統計の説明,及び統計データを用いた現状について解説する。
一般に,政府(中央政府や地方公共団体など)が行う経済活動のことを財政と呼ぶ。
資本主義国では,国民の生活にとって必要な財やサービスの提供は,民間企業の自由な活動を原則として,市場を通じて行われる。
しかし,民間企業の活動によってすべての需要が満たされているわけではない。
たとえば,国防,外交,警察などのサービス,また道路・公園・上下水道などの公共施設などは,その性格上,民間企業の活動だけでは国民の需要を満たすことはできない。
このような,民間の経済活動だけでは満たすことのできない財・サービスの需要を充足させるのが政府の役割である。
実際,政府は租税や公債などで収入を得て,国民生活の基盤となる諸条件を整えると同時に,市場メカニズムが円滑に働くようにするために,さまざまな活動を行っている。
このような政府の活動を経済的な側面からとらえたものが財政である。
また,経済全体を見ると,生産→分配→支出→生産という循環をしている。
この循環の過程において貨幣,すなわち金融が重要な役割を果たしている。
金融とはカネの流れであって,モノの流れと表裏一体をなしている。
以下では,まず財政の説明を行う。
続いて,一国全体のカネの流れを表す金融について説明を行う。
ただし, 1980年代後半から1990年代初頭におげる「バプル期」のように,カネの流れの中には一部モノの流れと独立したものもある。
財政の仕組みと現状
財政の機能としては,通常,
@資源配分の効率化,
A所得の再配分,
B経済の安定化
の三つが挙げられる。
ここでは,財政の仕組みと統計データから見た現状を見ることにしよう。
現在の日本において,財政は憲法,財政法,税法などの法律に基づいて行われており,その仕組みを財政制度と呼んでいる。
現在の財政制度のもとでは,政府は毎年予算を編成して議会に提出し,その議決を受け,その議決を受けた予算に従って収入と支出を実行する(単年度主義)。
このとき収入・支出を区分してその対応関係を明らかにするための期間のことを会計年度といい,日本では4月1日から翌年の3月31日までの1年間である(ドイツ,フランスは1月から,イギリス,カナダは日本と同じ4月から,アメリカは10月から始まる1年間を会計年度としている。ただし,アメリカは会計年度が終了する年をその会計年度名としている)。
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