サービス業に関する統計|【社会経済統計学・統計解析】
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サービス業に関する統計
サービス業に関する統計
サービス業とは,広義には,商品(財)を生産する産業以外の産業とされる。
この考え方によれば,第三次産業を指す。
具体的には,「電気・ガス・熱供給・水道業」,「情報通信業」,「運輸業」,「卸売・小売業」,「金融・保険業」,「不動産業」,「飲食店,宿泊業」,「医療,福祉」,「教育,学習支援業」,「複合サービス業」,「サービス業(他に分類されないもの)」及び「公務」が含まれる。
これに対して,これまで統計的には,日本標準産業分類の大分類に基づく「狭義のサービス業」という定義が使われてきた。
すなわち,日木標準産業分類では1949年の制定以降,電気・ガス,運輸・通信,商業,金融,不動産,公務を除いた,いわば「その他の第三次産業」をサービス業という一つの人分類として定義し,用いてきた。
しかし,近年の経済のサービス化に伴って,サービス業(狭義)の占める割合が著しく増加し,2001年事業所−企業統計調査における事業所数の構成比は28.8%と4分の1を超える水準に達している。
また,この産業には,かなり異質なサービス活動が集められており,必ずしも大分類として共通性が見出せないものとなっていた。
そうしたことから,2002年3月の日本標準産業分類の改訂においては,サービス業の大幅な分割−再編が行われ,新たな産業分類では,「情報通信業」,「医療,福祉」,「教育,学習支援業」,「飲食店,宿泊業」,「複合サービス業」の5つの大分類が新設された。
いずれの新設大分頬も旧サービス業に配置されていた産業を再編したものであり,その結果,「サービス業(他に分類されないもの)」は,事業所数で全産業の16.8%に低下した。
サービス業基本調査(指定統計。総務省が実施)は,改訂前の日本標準産業分類のサービス業を調査対象範囲とする最も包括的なサービス業の調査である。
1999年調査によると,営利的なサービス業の事業所7)は122万あり,5年前に比べて2.1%の増加となっている。
また,従業者数は叫3万人で19.9%の増加,事業収入額(年問)は155兆円で30.3%の増加となっている。
産業中分類別に事業所数が最も多いのは「洗濯・理容・浴場業」の40万8000であり,これに法律事務所などの「専門サービス業」の31万5000,「旅館,その他の宿泊所」の7万9000,「娯楽業」の7万1000などが続いている。
従業者数の最も多いのは「専門サービス業」が178万人で,これに建物サービス業などの「その他の事業サービス業」の172万人,「洗濯−理容・浴場業」の131万人などが続いている。
1994年からの5年間で事業所数が大きく伸びているのは「廃棄物処理業」の29.9%,「その他の事業サービス業」の27.1%などである。
また,従業者数が大きく伸びているのは「その他の事業サービス業」の40.1%,「廃棄物処理業」の37.4%などである。
なお,サービス業の中で事業収入額の増加率が最も高かった産業は「情報サービス・調査業」で,5年間で93.8%増加した。
事業所数の減った業種を見ると,「旅館,その他の宿泊所」が10.5%減(ただし,従業者数は10.6%増,事業収入額は19.8%増)となっている。
また「広告業」も4.0%減(ただし,従業者数は7.3%増,事業収入額は33.9%増)となっている。
ベティ=クラークの法則によると,経済の発展に伴い,産業の比重はモノの採取や製造をする部門からサービスを提供する部門に中心が移るといわれる。
日本の産業も,この法則に従って,伝統的な第一次産業(農林水産業)から第二次産業(鉱業,建設業,製造業)へ,さらに第三次産業(商業,金融業,サービス業等)へとウェイトが移っているといえよう。
就業者の産業別構造を見ると, 1960年には第一次産業が30%,第二次産業が28%,第三次産業が42%であったが, 2002年には第三次産業は65%(実数で4,135万人)に上昇している。
その間, 1960年代の高度成長期には製造業が急速に伸びたが,1973年のオイルショック以降,石油化学,鉄鋼などを中心に製造業が不況に見舞われ,これに代わって商業やサービス業が成長している。
また,国内総生産に占める第三次産業の比重も高まっている。
1970年には国内総生産のうち第三次産業の占める割合は51%だったが,2001年には72%となっている。
サービス化を加速した重要な要因として,「ソフト化」を挙げることができる。
1970年代から電子技術やロボット技術の進歩により,製造業では省力化と高付加価値イ匕が進み,製品を直接製造する産業以上に,ソフトウェア情報を提供する産業が伸びた。
サービス化を加速したもう一つの要因は,消費者側の需婆の変化である。
特に1970年代の後半以降,所得水準の向上,余暇時間の増大,共働き夫婦の増加などに伴い,消費者のライフスタイルは大きく変化し,その結果,サービスに対する需要は高まった。
家計調査によると, 1970年には家計消費のうち,サービスへの支出の割合は27%だったが, 2003年には42%となっている。
今後もレジャー関連サービス,高齢者向けの家事・介護サービスなどを中心に,家計のサービス需要は引き続き増大すると見込まれている。
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