商業に関する統計|【社会経済統計学・統計解析】
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商業に関する統計
商業に関する統計
商業は,2002年3月に改訂された日本標準産業分類では卸売・小売業として1つの大分類にまとめられている。
改訂前の大分類では,「卸売・小売業,飲食店」と飲食店を含んでいたが,飲食店はサービス的な要素のウェイトが高まったとして分離され,新設の大分類「飲食店,宿泊業」に移行した。
労働力調査によると2004年では商業の就業者数は全産業の18%を占めており,製造業に続いて2番目に雇用規模の大きい産業である。
中でも,小売業の就業者数は商業全体の雇川の約7割を占めている。
商業に関する最も包括的な調査は,商業統計調査である。
この調査は,経済産業省が実施する全数を調査する指定統計である。
3年ごとに実施されており,94年調査は卸売・小売業のみを対象として実施された。
飲食店について最後に実施されたのは1992年である。
99年調査は簡易調査として,事業所・企業統計調査と同時実施された。
その後, 2002年調査は大規模調査として実施され, 2004年調査は簡易調査として事業所・企業統計調査及びサービス業基本調査と同時実施された。
大規模調査では,商業に関するデータとして,年間販売額,商店数,従業員数,商品手持額,店舗の形態など多くの事項を調査している。
小売業について見ると,低成長下での賃金の低迷や消費者の低価格志向などを反映して, 2002年の年間販売額は135兆円と前回の調査(1999年)に比べて6.1%減少した。
商店数は,零細な小売店の廃業により,長期的な減少の傾向にあり,99年に比べて7.6%減少し, 130万店となっている。
また,従業者も0.7%の減少で, 797万人となっている。
卸売業については,年間販売額,商店数,従業者数とも大きく減少しており, 2002年にはそれぞれ413兆円(16.6%減), 38万店(10.9%減), 400万人(11.0%減)となっている。
このように大きな減少となったのは,景気後退の影響があったほか,流通経路の合理化により問屋など中間段階を介した取引が減少したためと見られる。
2001年事業所・企業統計調査により,1事業所当たりの従業者数を産業間で比較してみると,商業では他産業よりも従業者規模が小さく,卸売業で0.7人,小売業では6.4人となっている。
これに対して,電気・ガス・熱供給・水道業,情報通信業,運輸業では経営規模が大きい事業所が多く,1事業所当たり従業者数は20人以上となっている。
小売業の事業所の従業者規模は,96年に比べると,わずかながら増加している。
事業所の経営組織を商業統計調査(2002年)により見てみると,卸売業では,38万店のうち31万店(81.0%)が法人経営のものである。
法人経営の店は従業者規模も大きいため,その従業者数は380万人と,卸売業従業者全体の9割以上を占めている。
卸売業の商店数は,法人経営,個人経営ともに減少しているが,個人経営の方が大幅な減少となっている。
一方,小売業では,逆に個人経営の商店の割合の方が高く,小売業では130万店のうち72万店(55.1%)が個人経営となっている。
しかし,小売店についても法人経営の商店の方が従業者規模が大きいため,法人経営の商店の従業者が全体の約4分の3を占めている。
また,最近は個人経営の商店は減少し,法人経営の商店が増加する傾向にある。
このように,小売業では伝統的に個人企業が多かったものの,最近では法人化も進み,さらに法人自体も大規模化している。
事業所・企業統計調査により商業の会社企業数を資本金別に見ると,卸売業,小売業とも,資本金の小さな会社の数が大きく減少しているのに対して,資本金の大きい会社の数は増加する傾向にある。
2001年には,資本金50億円以上の企業は卸売業で212社,小売業で116社となっている。
また,常用雇用者規模を見ても大企業化か進んでおり, 2002年に常用雇用者数が5,000人以上の卸売業,小売業の企業はそれぞれ18社,60社となっている。
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