データ保管|【医療統計学・統計解析】
データ保管
完了した臨床試験に関する臨床試験データは,適切な場所に保管されなければならない.
保管期間について答申GCPでは,必須文書に関して次のように規定している.
8-1-30-1 治験依頼者は,治験依頼者が保存すべき必須文書を,次の1)又は2)の日のうち後の日までの間保存しなければならない.
1)当該被験薬に係る製造(輸入)承認日から5年が経過した日(開発が中止された場合には開発中止が決定された日から3年が経過した日).
ただし,薬事法の規定により承認後の再審査を受けなければならない医薬品で,かつ再審査が終了するまでの期間が5年を超えるものについては,再審査が終了する日.
2)治験の中止又は終了後3年が経過した日
臨床試験データについてもこの規定に従うことは考えられるが,実際的には,半永久的に保管することが望ましい.
ディスクなどがコスト的に安くなった現在では,半永久的にディスク上に保管しておくことも充分に可能であろうと思われるが,ディスクの障害などのリスクを考えると適切な時点で磁気テープやCD-Rなどに保管する方が妥当であると思われる.
ほかの部署や外部に臨床試験データを提供する必要が生じることもあり,そのような場合にも磁気テープやCD-Rなどを作成しておくことは重宝である.
保管に際しては,次のようないくつかの方法が考えられる.
・ データペース形式のまま保管する
・ SASデータセットとして保管する
・ アスキーファイルとして保管する
このうち,どの方法でなければならないという決まりはなく,環境に応じて適切な方法を予めルール化しておけばよい.
ただし,セキュリティが確保され,災害などにも耐えられる場所に保管しておく必要がある.
また,使用している臨床試験データ管理システムを変更する際には,保管されている過去の臨床試験データの移行についても対応を考えておかなければならない.
とくに,長期にわたって保存する場合には同じデータベースシステムを用いてもバージョンアップなどによって過去のファイルが読み込めなくなる状況もあり得るので注意が必要である.
関連記事