標準化の手法|【医療統計学・統計解析】
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標準化の手法
標準化を実現するための絶対的な手法というものはない.
ただし,誰かがリーダーシップを持って行わなければ標準化を簡単には実現できるものではない.
とくに既に業務が行われている手順を標準化しようということは大変なことである.
誰しも,現在の自分がやっているやり方が楽であり,今さら,この手順を変えるのも大変だと感じることの方が多いからである.
このためにも,担当者になぜ標準化が必要であり,標準化をすることによってどんなよい点があるのかということを充分に理解してもらう必要があり,継続的な教育がとても大切である.
もちろん,最初から業務を徹底的に役割や作業をマニュアル化してしまう手法もあり得る.
この場合には,スタッフの抵抗は少ないと思われるが,標準化の意味をきちんと理解させておかないと一定水準の業務品質を確保することはできても,画一化されたものに留まり,本質的な改善というものへの視点が欠落してしまうリスクがある.
実際にプロセスの標準化を行う場合には,現状分析を行った上で最適と思われる手順を策定することになる.
この場合に大きな威力を発揮するのが,プロセスマップ(プロセスフローチャート)として図を作成することによりプロセスを可視化することである.
プロセスマップの作成方法としては,産業能率大学で考案された産能大方式などが知られているが,特別に何かのルールに従って作成しなければならないというものではなく,特別な記述方法や記号を使用するより,むしろ誰もが理解できるような図になっている方が望ましい.
この場合に,関連する部門も含めて業務を図示しておくことが必要であり,無理に1ページに収めようとするのではなく,階層的に表現することも考慮すべきである.
すなわち,最初から精緻な詳細にわたるプロセスマップを作成するのではなく,大局的にプロセスが判断できるようなレベルから取り組むべきである.
データ構造を標準化する際には,データモデルを図示することから始めるとよい.
その際には,テーブルとそのテーブルに含まれるべき変数,そしてテーブル間のリレーションというレベルを図で示すことで大局的なイメージが判断できるはずであり,変数の属性などの詳細については最初からそれほど大きな問題として取り上げる必要はない.
また,標準化は一度行えば完了というものではなく,必要に応じて内容の追加や改良が行われるべきものである.
ただし,むやみに変更すべきものではないため,適切な改訂手順を定めておく必要がある.
さらに,定期的に関係者への教育,意見聴取などを行い,実態に即したものとして活用していけるようにしていかなければならない.
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