臨床試験における小児【統計解析講義応用】

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臨床試験における小児|【統計学・統計解析講義応用】

臨床試験における小児【統計解析講義応用】


目次  臨床試験における小児【統計解析講義応用】

 

 

臨床試験における小児

 

小児(子ども)は,研究に参加するために同意することが必要であるにもかかわらず,法的に有効な同意を提供することができない.

 

ヒト被験者の保護に関する規則(45 CFR Part 46 のSubpart D)で許可されている場合を除き,小児は研究への参加に際し,両親または法的保護者(legal guardian)の同意(permission)を必要とする.

 

子どもとは,研究が行われる施設のある管轄権の適用法のもとで,研究に関わる治療もしくは手順に有効な同意を与えることのできる法的年齢に達していないものと定義される.

 

NVクリニカルセンターにおいては,子どもを持つ親であるか,結婚していない限り,18歳以下の誰もが研究への参加の合法的有効な同意を与えることはない.
一般的に,可能な限り両親の同意を得るあらゆる努力がなされるべきである.

 

45 CFR のSection 46.408(b)にはIRBが認めない限り,臨床試験の参加には両親が共に同意しなければならない.

 

例外は一方の親が亡くなっていたり,行方不明だったり,責任能力がなかったり,合理的に対応可能でなかったり,その子どもの養育に片方の親のみが法的な責任を有する状態であった場合である.

 

IRBはリスクが最小限のときや直接的な利益が期待できる場合,片方の親の同意で十分であるとすることがある.

 

片方の親の同意で十分であるとされた場合においても,同意を与えた親が一時的あるいは永続的に以後の患児の治療に協力できない状態になったときのために,もう一方の親や,若しくは代わりの養育者の参加と協力を得ることはしばしば有用である.

 

そのような状況においては,一時的な親権がもう片方の親から.代わりの養育者に与えられるかもしれない.

 

養子縁組(foster care)されている子ども場合,誰が同意を与える法的権限を持っているかについては慎重な調査が必要である.

 

州によって里子(foster child)が研究に参加できるかどうか.およびその際誰が同意を与えられるかに関しては異なる.

 

一般的に,里親(foster parent)の選定に責任を有する州当局.あるいは判事が研究の同意のプロセスに関与する必要があるだろう.

 

いくつかの州では生みの親の親権が公式に終了していない場合,彼らに同意を与える権限を認めている.

 

里親は,子どもを研究に参加させる権限を認められていることはほとんどない.

 

研究に参加するかどうかのスクリーニングや登録前に,誰がまたはどの機関が里子の研究に参加するために必要な同意を与える権限を持っているかを確認しておくことが重要である.

 

もし法的に権限のある個人が里子に同行しなければ.必要な同意を得るための手続きが求められる.

 

両親もしくは保護者から同意が得られないか,あるいは拒絶された場合はどうなるのか.両親もしくは保護者が同意しないか,以前に同意したことがない場合,子どもには緊急的治療が施される.

 

両親もしくは保護者が,子どもを研究に参加させる許可を断った場合は,その決定が有効とされる.

 

両親もしくは保護者が,便益がリスクを上回ると認められている臨床的治療を断った場合(例えば,信仰上の理由で生命維持のための輸血を拒否する等).通常,州政府が「父権者parens patriae」の役割を負い,治療を命じる.

 

このことは,児童福祉当局が関与するか,裁判所命令によって実行される.

 

未成年者が,研究参加もしくは通常の医療を受けるための同意を自ら行う例もある.

 

45 CFRのSection406.408 (c)に従って,研究プロトコールが両親もしくは保護者の許可が合理的な要件ではない状況や被験者集団(例えば,ネグレクト,虐待を受けている子ども)を対象に計画されているとIRBが判断した場合,両親の同意を破棄して,被験者保護のための別の機構で代用する場合がある.

 

この破棄の使用は,適用法と整合していなければならない.

 

州法に従って,一部の未成年者が,両親の同意なしに試験や治療を受けることに同意できることもある.

 

法律では通常,未成年者が同意を与えることのできる年齢とその状況を特定している.

 

最後に,裁判所が未成年者のヒアリングを行って,その者が「十分成長した未成年者」であって,医学的あるいは研究的治療に関して自分自身で決定できるかどうかを判断することもある.

 

一般的に,こういった決定には,その未成年者が治療のリスクと性質を十分に理解し.自分自身の行助の結果を正当に評価できるという,明確で説得力のある証拠が必要となる.

 

 

診療/研究記録

 

完全かつ正確な診療記録や研究記録は,科学的整合性と検証を確保しながら‥患者に質の高いケアを提供するために必要である.

 

それらは.その後の訴訟,審査,監査や他の調査の際に最も重要な証拠になる.

 

例えば,大部分の訴訟は出来事が起こってから2年から5年経過してから起こる.

 

記憶が薄れる,人事異動などがあるため,正確に何か起こったかを再現するために,記録は最も重要である.

 

医療記録(medical documentation)の基本的規則は3つある.

 

1つは,記録は完全でなければならない.記録はすべての治療,介入,観察を記述しなければならない.

 

このことが行われていないとケアの程度が誤って解釈される.

 

例えば,患者の術後には,バイタルサイン(vital sign. 生命徴候)の計測が15分毎に求められる.

 

すべてのバイタルサインが記述されていない場合,バイタルサインを15分毎に観察していたにもかかわらず,看護師は異常所見のみしか記載していなかった場合,陪審員は,他のいかなる所見の観察もなされていなかったと推測し.ケアの基準を怠ったと評決するかもしれない.

 

医療記録の第二の基本的規則は,記録は正確でなければならないということである.

 

もし,矛盾がその後の監査で発見された場合には,例え記録が正確であるとしても,他の記載事項の正当性が疑問視される可能性がある.

 

医療記録における第三の基本的規則は,記載は適時(すなわち,治療が行われたとき,観察されたとき,できるだけ問をおかずに作成されている)でなければならないということである.

 

遅れた記載は,疑問視されたり,正確性や遅れた理由についての懸念を高める場合がある.

 

もし誤りが記録に認められたら,どのように修正すべきであろうか.

 

記載は決して抹消したり削除してはならない.もし修正が必要であれば,誤った記載に線を引いて,正しい情報を記載し,イニシャルを署名し,日付を入れる.これが不可能であれば,線を引いて変更した理由の説明を元の記載に可能な限り近くに書き入れ,署名をして日付をいれるべきである.

 

これらの実践は,もちろん,電子的環境に移行した場合には,必ずしも必要はないだろう.

 

訂正,修正,消去を処理する電子医療記録(カルテ)システムの能力は,個人の診療記録の信憑性,再現性,信頼性.正確性を保証するために適用できる施設のポリシーによって管理されなければならない.

 

修正は実際に書いた人だけが行うべきである.

 

もしそれが不可能であれば,医療あるいは研究記録の修正は管理者(supervisor)によってのみ行われるか,あるいは施設のポリシーによって行われるべきである.

 

 

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