概念的文脈の開発【統計解析講義応用】

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概念的文脈の開発|【統計学・統計解析講義応用】

概念的文脈の開発【統計解析講義応用】


目次  概念的文脈の開発【統計解析講義応用】

 

 

概念的文脈の開発

 

優れた研究の研究結果は,迦常,整然として矛盾のない体系に統合される.

 

そのような統合には,トピックについての先行研究を徹底的にレビューすることをとおして,また,適切な概念枠組みを特定したり開発することによって,新しい研究と既存の知識を結びつけることも含まれる.

 

この2つの作業によって,研究プロジェクトにとって収要な文脈がつくられる.

 

理論.モデル,枠組み,図式(スキーマ),地図(マップ)というような多くの用語が,研究のための概念的文脈に関連して使われてきた.

 

これらの用語の使われ方には,ある程度重複があるが,それは使い方によって異なった使い方をされたり用語がお互いに関連しているからである.

 

ここでは,これらの用語を少し説明するが,定義づけが普遍的ではないということを記しておこう.

 

理論

 

理論という用語は,いろいろな使われ方をしている.

 

たとえば,看護教員と学生は,これを,実際の看護活動の実践に対比して.教室での授業内容を指してもちいることが多い.

 

一般的な使用でも科学的使用でも,理論という用語は,抽象性を帯びている.

 

研究という枠内でさえ,理論という用語は,執筆者によって異なってもちいられている。

 

科学者は,どのように現象が関係しあっているかを系統的に説明する,1つの抽象的な一般化として理論をもちいてきた.

 

そのように伝統的な定義づけでは,2つ以上の概念が互いに関係をもっていることを,理論が説明しようとするかたちであらわす必要がある.

 

しかし,ほかの人は理論という用語をあまり制限せずに使い,現象についてのー一般的な特澂づけとしている.

 

このあまり制限されていない定義によると,理論は1つの現象を説明できる(すなわち,綿密に描写する).

 

この種の理論を,とくに記述理論という人もいる.たとえば,「別々の観察で見いたした共通性を求めて,個人,集団,状況,できごとの特定の側面や特性を描写したり分類する」ような経験的に引き出された理論であると,記述理論を定義づけている。

 

記述理論は,質的研究でとくに重要な役割を果たす.質的研究者は,研究者自身が行った実際の観察に基づいて現象を概念化しようと努力する.

 

 

伝統的理論の構成要素

 

伝統的に定義づけられてきたように,科学的理論は諸概念間の框りl関係についての・連の命題を指してもちいる.

 

科学的理論について書かれたものには,「命題(proposition)」,「前提条件(postulate)」,「前提(premise)」,「公理(axiom)」,「法則(law)」,「原理principle)」,というようないろいろな用語に出会う。

 

同じ意味で使われる用語もあれば,ここで述べるには複雑すぎるような微妙な意味のものもある.

 

ここで,理論の構成要素について簡単な分析を試みることにしよう.
 概念とは,理論の基本的要素である.

 

看護の概念の例としては,適応,健康,不安,ナースークライエント相互作用がある.

 

古典的な理論は,概念間の関係を示す,一連の命題を構成している.

 

関係は,「〜と関連性がある」とか「〜に直接に左右される」とか「〜に附随する」というような表現で示される.

 

命題は,論理的な相互関係をもつ演繹的体系を形成する.

 

つまり,理論は,もとの命題から新しい陳述を論理的に導き出すメカニズムを与えるということである.

 

これらのポイントをわかりやすく説明するために,次の例を考えてみよう.

 

Theory of Planned Behavior(TPB;計画行動理論または予定行動理論)〔Ajzen, 1988〕は, Theory of Reasoned Action (合理的行為理論)〔Ajzen & Fishbein, 1980〕といわれていたものを発展させた理論であり,人々の行動と心理的決定要因を理解する枠組みを提供する.

 

TPBをきわめて単純化すると,その構造は,以下の命題からなる.

 

1.意思に基づく行動は,その行動をしようとする人の意思が決定する.

 

2.ある行動をする,またはしないという意思は,次の3つの因子で決定される.
 ・その行動に対する態度(その行動をすることに対する全体的な評価)
 ・主観的規範(その行動をする,またはしないことに対する社会的圧力の認識)
 ・行動制御感(その行動をするにあたって予想される困難さと容易さ)

 

3.意思に影響を与える3つの因子の相対的な重要度は,その行動や状況によって異なる.

 

TPBの基礎を形成する概念には,行動,意思,態度,主観的規範,自己制御(セルフコントロール)感などがある.

 

理論は,こうした概念間の関係の性質を特定し,健康行動に関連する多くの仮説を生みだすための枠組みを与える.

 

たとえば,医学的処方のコンプライアンスヘの患者の態度に影響をもたらすことによって,または患者の制御感を高めることによって,患者のコンプライアンスが高まると, TPBをもとに仮説を立てることができよう.

 

避妊の選択, AIDS予防行動,コンドーム使用,ワクチン接種行動,予防的な健康検診など,健康に関するさまざまな意思決定行動を研究する場合に, TPBは,根拠となる理論としてもちいられてきた.

 

TPBの例

 

アミンザデーとエドワード〔Aminzadeh & Edwards,2000〕は. TPBによる研究で,地域社会に暮らす高齢者の杖の使用に関連する因子を調べた,

 

研究結果は,健康行動を理解するうえで,TPBが有効であるというエビデンスとなり,理論に基づく転倒防止介入のデザインも示唆している.

 

 

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