帰無仮説:何も知識がない状態での研究の出発点|最終的な比較の基準・対立仮説を反映【統計学・統計解析講義基礎】

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帰無仮説(null hypothesis)は、無に帰するべき仮説。何も知識がない状態では、帰無仮説は研究を始める唯一の論理的な出発点。問に関連する情報を集めるとき、最終的な比較のための基準となる。対立仮説を直接反映したものであり、どんなリサーチクエスチョンが問われるときにも、必ず含意されている


目次  帰無仮説:何も知識がない状態での研究の出発点|最終的な比較の基準・対立仮説を反映【統計学・統計解析講義基礎】

 

帰無仮説:何も知識がない状態での研究の出発点

 

帰無仮説(null hypothesis)は、無に帰するべき仮説です。

 

英語のnullは「ない」「空っぽ」という意味です。

 

帰無仮説は、統計学では、同等であるということを述べたものです。

 

すなわち変数間に相違がないという考えを反映した、概念的な出発点です。

 

なぜか?

 

それは、変数間の関係について何も知識がない状態では、帰無仮説が研究を始める唯一の論理的な出発点だからです。

 

帰無仮説は、たとえば次のような形式をとります。

 

H0:μ1=μ2

 

ここで、

 

H0は帰無仮説

 

μ1は第1群に対する母数の値

 

μ2は第2群に対する母数の値

 

です。

 

上記の例は、帰無仮説は2群の平均値は等しいというものですが、これはいろいろな形をとりうる帰無仮説の一例にすぎません。

 

たとえば、次の帰無仮説「夏のインターンシップに参加した人とそうでない人で雇用1年目の満足のレベルに差がない」では、夏のインターンシッププログラムへの参加と職務満足度の間に関係がないと仮定しています。

 

お気づきのように、ここでの仮定は、インターンシップをした人としていない人は、どちらも職務満足度得点が等しいというものです。

 

帰無仮説が重要なツールであるのは、以下の理由があります。

 

 

研究開始時は情報がない

 

他の情報がないとすると、帰無仮説が最もありえる関係であり、したがって出発点だからです。

 

2つ以上のどんな変数間の関係についても、他に情報が与えられていないので、それらは互いに関係がないと、まずは見なすのです。

 

すべての物事が等しいと仮定した仮説から研究を開始することによって、明確に定義された偏りのない地点から出発するのです。

 

最終的な比較の基準

 

帰無仮説は、問に関連する情報を集めるとき、最終的な比較のための基準となります。

 

出発点(帰無仮説)がわかれば、他の知見や結果と比較する拠り所をもつことになります。

 

このように、関連する仮説の検定で見いだされるであろうどんな差異に対しても、帰無仮説が最も合理的な説明であるかどうかがわかります。

 

構成概念としての出発点

 

他の統計学の概念と同じく、帰無仮説は構成概念としての出発点であるということに留意することが重要です。

 

学術雑誌の論文や研究報告書の中に帰無仮説がそのまま述べられることはほとんどありません。

 

しかし、帰無仮説は対立仮説を直接反映したものであり、どんなリサーチクエスチョンが問われるときにも、必ず含意されているのです。

 

 

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