勤労統計で見る賃金・労働の実態【ChatGPT統計解析】
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」は、農林漁業を除く産業の事業所を対象に行われ、常用労働者5人以上の約33,000事業所を全国調査し、特別調査では常用労働者1-4人の約8万事業所を年1回調査しています。この調査は企業の労働者数、実労働時間、現金給与額を企業規模別、産業別で把握することを目的としています。賃金に関しては、男女別、産業別、従業員規模による格差が大きく、賃金水準の違いは時点間比較だけでなく産業間でも見られます。労働時間は、事業所の調査と世帯の調査で差異があり、企業側では把握しきれていない労働時間も存在する可能性が高いと指摘されています。
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毎月勤労統計調査
厚生労働省が実施している「毎月勤労統計調査」は、農林漁業などを除いた産業に属する事業所を対象としており、全国調査では常用労働者5人居ようの事業所約33,000、地方調査では約44,000を標本として毎月実施されています。
この他、常用労働者1-4人の事業所(約8万)を対象とした「特別調査」も年1回行われています。
毎勤と略称されるこの調査によって、企業の労働者数、実労働時間数、現金給与額などを、企業規模別、産業別に把握することができます。
また内訳としてパートタイム労働者数も捉えられます。
賃金格差と労働者構造
常用労働者1人平均月間現金給与総額については、従業員規模による賃金格差は非常に大きいですが、男女別、産業別にも大きな差が認められます。
30人以上の金融保険業に勤務する男性の給与と1-4人のサービス業に勤務する労働者の給与とでは、後者が「きまって支給する給与」だけで、前者は賞与などの「特別に支払われた給与」を含む「現金給与総額」であるとしても、4倍近い格差があります。
この統計で用いられる常用労働者とは労働力調査における常用雇用者と同じく、期間を定めないか、または1ヶ月を超える期間を定めて雇われている者のうち、前2ヶ月にそれぞれ18日以上雇われた者」も含まれます。
これは雇用保険が適用される条件であり、それ以外の臨時・日雇いと区別されます。
またパートタイム労働者とは、ここでは常用労働者のうち、一日の所定労働時間が一般の労働者より短い者、または一日の所定労働時間が一般の労働者と同じで1週の所定日数が一般の労働者よりも短い者として定義されています。
毎月勤労統計によって、賃金の時系列的な変化が明らかにされますが、利用には若干の注意が必要です。
まず、平均賃金は産業別、性別の他にも、年齢構成や生産労働者、管理・事務・技術労働者などの労働者の種類によっても変動するが、毎勤では詳細な分解は行われていません。
このような労働者構造の相違による賃金水準の違いは、時点間の比較だけではなく、産業間の比較においても発生します。
たとえば賃金水準の低い未熟練若年労働者の比率が高い産業では、平均賃金は低くなりますが、同じ職種と技能を持った同年齢の労働者を比較するとでは、他の産業の賃金とほとんど差がないかもしれません。
もう一つの注意点は、標本となる事業所の入れ替えに伴って生ずる時系列データの断層です。
毎勤で調査対象として抽出された30人以上の事業所は、原則として3年間固定されます。
従来の事業所統計調査の周期が3年であったため、その名簿を利用して標本を抽出する方法には合理的な裏づけがあります。
しかし、標本を固定している3年の間には、業績の悪い事業所が調査対象から脱落し、比較的業績のいい事業所が継続的に調査されることになります。
標本事業所を入れ替えると、このような質的な差が解消され、平均的な事業所の賃金が次第に上昇し、標本の入れ替えに伴って下落するという現象が見える時期があります。
このような断層に対応するために、毎勤では新たな標本事業所で得られた調査結果に基づいて、過去にさかのぼって断層を修正した賃金指数が作成されています。
これは時系列的な比較のためには、現金給与総額よりも優れています。
労働時間:労働力調査と毎月勤労統計調査
賃金には年齢、学歴、勤続年数などが大きな影響を与えますが、これらに関する詳細な統計として、厚生労働省が毎年実施している賃金構造基本調査があります。
この調査は、農林水産業や公務などを除いた常用労働者5人以上の事業所を対象とし、抽出された事業所に雇用されている労働者を対象とする標本調査で、2000年調査は約7万1000事業所、152万労働者という規模です。
労働時間に関しては、世帯の調査である労働力調査と、事業所の調査である毎月勤労統計では差があることが知られています。
2001年の毎勤による全産業の30人以上事業所における労働者1人平均月間総実労働時間は154.0時間であり、同じ2001年の労働力調査によると、全産業の雇用者については週間平均就業時間は42.4時間です。
これから年間労働時間を求めると、154.0×12=1848.0時間および42.4×52=2204.8時間とかなりの差があります。
対象とする事業所に違いがあるものの、この差の一部分はサービス残業など、企業側では把握されていない労働時間の可能性が高いといえます。
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