偶然誤差と系統誤差【統計解析講義基礎】

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偶然誤差と系統誤差|【統計学・統計解析講義基礎】

偶然誤差と系統誤差【統計解析講義基礎】


目次  偶然誤差と系統誤差【統計解析講義基礎】

 

 

偶然誤差と系統誤差

 

真の値と誤差

 

完全に正確な測定方法は存在しないと言っていいだろう。

 

その理由は、測定が人の手によって行われ記録されるからというだけでなく、測定過程で不連続な数値を連続の世界にあてはめるからである。

 

測定論には、ある一連の測定に誤差がどのくらいあるのかを概念化数量化し、その原因と結果を評価するという課題がある。

 

古典的測定論は、どんな測定値すなわち観測値でも真の値と誤差というの2つの部分からなると考える。これは、次の式で表す。

 

  X=T+E

 

Xは観測された測定値であり、Tは真の値で、Eは誤差である。

 

例えば、ある人の正確な体重が118ポンドであっても、体重計ではその人の体重は120ポンドと測定され、体重計が不正確であるために2ポンドの誤差が出る。

 

これは、先ほどの式を利用して、次のように表す。

 

 120 =118 + 2

 

これは単純に3つの構成要素の関係を示す等式である。

 

しかし、TとEはどちらも、仮説的な構成概念だ。

 

実際には真の値Tの正確な値を知らないので、誤差Eの正確な値もわからない。

 

この2つの量を見積もり、真の値を最大化し誤差を最小化するために、測定処理の多くが費やされる。

 

例えば、ある人の体重を最近調整した体重計を用いて短い時問で(そうすれば、正確な体重は一定と考えることができる)測定すれば、測定値の平均値をその人の正確な体重の比較的正しい測定値とすることができる。

 

そうして、この平均値と1つ1つの測定値との違いを体重計が少し故障していただとか、測定者が不正確に読み取って記録したなどの、測定過程から生じた誤差と考えるのだ。

 

 

偶然誤差と系統誤差

 

我々は、プラトン的観念の世界ではなく実世界に生きているので、すべての測定値にはいくらか誤差があるのは当然だと考える。

 

しかし、すべての誤差が等しく出るというわけではなく、系統誤差(systematic error)を避けるためできる限りのことをする中で、偶然誤差(random)に順応していくのだ。

 

偶然誤差は、その名のとおり偶然出る誤差で、決まったパターンを持たず、測定を繰り返すことで小さくなっていくとされている。

 

例えば、同じ対象物で何度も測定して出た誤差の値は、平均的に0になる。

 

したがって、誰かが同じ体重計で連続して10回計測すれば、おそらく出た数値にわずかに違いが見られて、輿の値より高かったり低かったりする。

 

真の体重が120ポンドならば、おそらく、第1回目には119ポンド(誤差−1ポンド)、第2回目には122ポンド(誤差+2ポンド)、そして第3回目には118.5ポンド(誤差−1.5ポンド)等々と測定体重が変わるだろう。

 

体重計が正確で、唯一の誤差が偶然ならば、たくさんの試行で得た誤差の平均は0になり、計測した体重の平均値は120ポンドになる。

 

もっと精密な機器を使ったり、測定者がそれらを正しく使えるように訓練することで偶然誤差を何とか減らそうとすることはできる。

 

しかし、偶然誤差の完全な除去は期待できない。

 

次の2つの条件も偶然誤差に適用される。

 

つまり誤差が正しい値とは無関係であることと、ある測定の誤差は他のどの測定での誤差とも無関係なことだ。

 

第一条件の意味は、いかなる測定の誤差の値も、その測定値の真の値とは関連がないことだ。

 

例えば、何人かの体重を測定するとき、各測定値の誤差と各個人の真の体重とは何の関係もないと期待する。

 

例えば、真の値(個人の実際の体重)が大きいほど、誤差が系統的により大きくなるなどということは起こってはならないことを意味する。

 

2つ目の条件は、各々の値の誤差は独立で、他のどの値の誤差とも無関係なことを意味する。

 

例えば一連の測定で、始めの方に測定したのよりも後で測定した方が誤差が大きかったり、ある決まった方向に誤差が出たりしてはいけない。

 

第一条件は、真の値と誤差の相関が0であると衣現され、第二条件は、誤差間の相関が0と表される。

 

対照的に系統誤差には明確なパターンがあり、偶然によらず、1つ以上の原因を特定することが可能であり、直すこともできる。

 

例えば、体重計の調節を誤って正確な体重より5ポンド高い結果を示すようになっていると、実際の体重が120ポンドである人の複数回の測定値の平均は120ポンドではなく、125ポンドになる。

 

系統誤差は、人的要因でも起こり得る。

 

もしかしたら、針が実際に示しているよりも高く指し示しているように見える角度から体重計の表示を測定者が読む場合もあるだろう。

 

例えば、時間とともに測定値がより高くなる(そのため、誤差は実験の始めのころは偶然であるが、後には一賞して高くなる)という系統誤差のパターンが分かれば、手を加えて体重計を再調節できるので、これは有益な情報である。

 

系統誤差の原囚を確認特定して、それを取り除く方法を考えようと多くの努力がなされた。

 

 

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