統計学におけるリッカート尺度|【統計学・統計解析講義基礎】
統計学におけるリッカート尺度
リッカート尺度は、人間対象の研究では最も一般的な評価尺度の1つだ。
この評価尺度は、1946年から1970年までミシガン大学社会研究所のディレクターを務めたリッカート(Rensis Likert、1903-1981)によって1932年に初めて使用されたものだ。
リッカード尺度を用いたアンケートでは、選択肢(一般的には5段階だが、7段階や9段階もある)の中から、質問に対応する回答を選ぶ。
例を次に示す。
質問:米国は全国的健康保険のシステムを採用すべきである。
選択肢1.強く同意する。
選択肢2.同意する。
選択肢3.同意も反対もしない。
選択肢4.反対する。
選択肢5.強く反対する。
中立の意見のない偶数個の回答群から選択させるケースもある。
この場合は強制選択方式と呼ばれ、被験者は賛成か反対のどちらかを強制的に選ばされる。
また、同一アンケート中でも回答群の順番を入れ替え(選択肢1.が「強く反対する」となったり、「強く同意する」となったりする)、質問や選択肢を読まずに最初や最後の選択肢だけを選ぶ被験者を探すこともある。
リッカート尺度によって収集されたデータは、順序レベルを示している。
回答が段階順に並べられてはいるが、その段階のそれぞれの差が等しいとは限らない。
強く賛成するのと、賛成するのとの差が、賛成するのと賛成も反対もしないのとの差と同じであるかどうかを知ることはできない。
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