統計ソフトの処理の意味を理解する|Excel(エクセル)の活用【統計学・統計解析講義基礎】
統計ソフトの処理の意味を理解する
統計学をこれから勉強しようとするあなたは、何を勉強することをイメージしますか。
@難しい数式や数学をマスターすること
A統計ソフトが使えるようになること
B統計ソフトの処理が意味するところを知る
人によってさまざまかと思います。
たとえば、車で山中湖まで行きたいという目的があるとすると、あなたは何をしますか。
@エンジンの仕組みや道路設計に関する知識を身につける
Aとにかく誰かに運転してもらってでも山中湖に着く
Bどうやったら山中湖につくか、ルートや時間を調べる
もちろんBですよね。エンジンの知識なんか最低限あればいいし、かといってどこに行こうとしてハンドルやアクセルを操作しているのかを分かっていないと、車はもしかしたらわけわからないところに到着してしまいます。
ところがそれでも、「目的地に到着しました」と運転手に言われたら、あなたはどう思いますか。
これらは上の@〜Bと好対照です。
私たちは、難しい数式や数学をマスターしたいわけではありません。
それをしたところで実務に役立ちません。ですので@は違います。
統計ソフトが使えるようになりAの目的を達成すれば、確かに学会発表や論文発表は出来るようになるかもしれません。
しかし、それで学会発表して、聴衆に少し解析方法の突っ込んだ質問をされて答えられなかったら、恥をかくかもしれません。
また、意味がわからないと、「この解析手法は次のこの試験にも応用できるのではないか」といった発展的な展開も望めません。
一番まともなイメージはBです。数学的な細部にまで立ち入る必要はありません。
しかし、統計的なデータ処理の意味くらいはわかっておくことは必須です。
統計ソフトでは肝心のその部分がブラックボックスとなっていて、結果だけを示します。
学会発表で質問されても、「コンピューターで統計処理をやりました」という回答ではあまりにお粗末ですよね。
Excel(エクセル)の活用
そこであなたにおすすめなのが、エクセル、すなわちMicrosoft Excelです。
Excelでは、セルにデータを打ち込んでから、セル単位で簡単な数式を入力して一斉に同型の計算をさせたり、総和をとったりすることができます。
またアドインツールのソルバーを活用すると、セルの最大化や最小化も自由にできます。
ソルバーを使えば、直線回帰分析のような簡単なモデルはもちろん、多変量ロジスティック回帰分析のような少し複雑なモデルでも解析可能になります。
もちろん統計関数を覚えたり、ソルバーの使い方を学んだりという過程は必要になりますが、3時間もあれば基本はマスターできます。
あとは自分で実際にExcelで解析した結果と、統計ソフトで得られた結果を照らし合わせてみると、統計ソフトの出力の意味が肌感覚でわかるようになります。
是非Excelを活用し、統計処理の意味を理解することを主眼に統計学を学習してください。