同時発生のイベント・めったに起こらないことの確率|統計的な見方の常識【統計学・統計解析講義基礎】
同時発生のイベントやめったに起こらないことの確率など、一般の人にとって統計的な見方、考え方は、あえて学ばなくても得られる一つの常識に近いものとなっている
同時発生のイベント
個々人の経験ではなくて、ある社会集団の共通体験は、長いあいだに、ことわざのような形に変化します。
おおげさにいえば人類の遺産ともいえるでしょう。
例えば同時発生のイベントで次のような例があります。
二度あることは三度ある、ということわざがあります。
歳末の福引きで特賞当たったと思ったら、二浪のわが息子が合格して、そしてお父さんが部長昇格でしょ、というときに使います。
あいつ二度もヘマをやって、見てろよ、またやるぞ、こんな悪い事例にも使いそうです。
これらのことわざは、度数分布の領域に踏み込んでいるのかもしれません。
めったに起こらないことの確率
噂をすればカゲとやら、というのはどうでしょう。
居酒屋で上司を皆でこきおろしているときに、なんと当人がのれんをかきわけて入ってきた、あるいは入ってきそうな不安にかられたときに使います。
統計的にはめったに起こらないと思われることが、案外高い確率で生起するということで、ことわざとしての価値があるのでしょう。
統計的な見方は一つの常識である
いうなれば、一般の人にとって統計的な見方、考え方は、あえて学ばなくても得られる一つの常識に近いものなのです。
日々の判断なり行動なりにおいて、ことあらためてその必要性を云々するまでもないことでしょう。
「ある集団での統計的な共通体験が、ことわざを形成した」という説には異論も多いのですが、例えば以下のような例があります。
@君子危うきに近寄らず、虎穴に入らずんば虎児を得ず、のように相反することわざについては、統計的に異なる結果が出るのはおかしい
A噂をすればカゲとやら、ということわざは、偶然起きたというインパクトで記憶され、形成されたのであって、起きなかったことは無視されてしまうので、経験データとしての客観性がない
B根拠の弱いことわざでも、それに当てはまる事例だけが意図的に取り上げられ、それによってことわざが強化される
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