o【ChatGPT統計解析】
意思決定に役立つ情報は、マーケティングの各段階で異なるソースから得られる。出荷データ、セールスマンのフィードバック、小売店ヒヤリング、消費者アンケートなどの情報が、統計的に分析されて全体の傾向を示し、意思決定に寄与する。例えば、出荷データからは商品の流通状況が、セールスマンや小売店からの情報で市場の実情が、消費者アンケートからは顧客の意見や需要が明らかになる。これらの情報を基に、マーケティング戦略を柔軟に調整し、より効果的な意思決定を行う。未開の島での靴販売の例からも、適切な情報が意思決定の精度を高めることが分かる。
▼▼▼▼▼▼▼▼
チャンネル登録はこちら
意思決定に役立つ情報処理
あるメーカーの販売部門に勤めていると、統計学的な情報処理がどのように役立っているかがよくわかります。
次の例を考えてみましょう。
@あるメーカーの意思決定者である経営者は、自社商品の出荷が順調であるというデータ、すなわち情報に接して満足していました。そして、マーケティング活動は今まで通りで問題ないと判断し、そのまま続けることにしました。
Aしかし、自社セールスマンが受け持ちの小売店を回って得た情報によって、小売店の売り上げが不振であることを知りました。そこでとりあえず、今までのテレビCMの広告費をもっと増やすことにしました。
Bところが、改めて小売店にヒヤリングしてみて驚きました。その情報では、ねらいとしている若い主婦層での購入が少ないのでした。そのことを知って、これまでのCMを改善して、よりヤングミセス向きのCMに広告努力を集中することにしました。
Cしかしさらに若い主婦の意識をアンケートによって探ってみると、商品のデザインが泥くさいことで敬遠されていることを知りました。商品の認知率は十分に高く、広告の問題ではないのでした。
Dそこで、最終的に商品デザインを改良することに決定し、あわせて若い主婦向きのCMを強化することにしました。
という次第です。
マーケティング活動における情報収集
ここでわかるように、必要とする情報は、それぞれの段階で、自社出荷データから、自社セールスマンから、小売店ヒヤリングから、消費者アンケートからそれぞれ得られています。
これらの情報は、いくつかのわずかな事例ではなく、多数のセールスマン、小売店、消費者による、全体的な傾向として統計的にまとめられ、意思決定者に提供されます。
このメーカーは、各段階のそれぞれの情報に対応して、そのつどマーケティング活動の手を打とうとしています。
しかも、新しい情報が付け加わることによって、その対応はしだいに的確になっていきます。
マーケティングのテキストによく載っている、次のような話があります。
ある未開の島で現地の人たちが、はだしで歩いたり走り回ったりしているのを見て、一人のセールスマンは彼らに靴を売り込むことを断念しました。
後日、別にやってきたセールスマンは、「おお、ここには無限の需要がある!」と叫んだのです。
この2人のセールスマンの判断の違いは、情報不足によるものでしょうか。
はだしでいる、という情報だけで、あとは彼らの直感で補って意思決定をしたのです。
なにしろ情報が足りない、情報がもっと欲しいにもかかわらず、ごくわずかの情報で意思決定するしかなかったのです。
この場合、靴売り込みの意思決定をするためにどんな情報をとる必要があったのでしょうか。
@貨幣経済について確認する。石のお金をもらってもしかたがない
A靴の試用テストを行う
Bアンケート調査を実施する
などが考えられます。
また、現地の人たちと起居をともにして観察するという、文化人類学的アプローチもよいかもしれません。
関連リンク