統計学も裁判も「疑わしきは罰せず」【統計解析講義基礎】

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統計学も裁判も「疑わしきは罰せず」【統計解析講義基礎】


目次  統計学も裁判も「疑わしきは罰せず」【統計解析講義基礎】

 

 

統計学も裁判も「疑わしきは罰せず」

 

状況証拠だけで本人を逮捕してはなりません。

 

いくら疑わしくとも,100%証拠がないと逮捕してはなりません。

 

「疑わしきは罰せず」が裁判の基本です。

 

たとえ有意水準が0.01でも0.001でもいけません。

 

最悪の場合,冤罪を引き起こします。

 

次の仮説の設計が望ましいのです。

 

H0:無罪 vs. H1 : 有罪

 

検察当局はH0を棄却して有罪立証に全力を傾けます。

 

しかし,帰無仮説「無罪」を簡単には伝聞証拠くらいでは棄却できないのです。

 

決定的な物的証拠をつきつけるか,自白調書をとることが不可欠となります。

 

疑わしい者を強引に刑務所に放り込むよりも,彼を罰しない方が正義にかなっています。

 

H0を受容する方がましです。

 

しかし,この社会正義は何も本人が「無実」といってはいません。

 

「無罪」としか言えません。

 

 

食品は「疑わしきは罰す」

 

1996年5月に病原性大腸O157が猛威を振るい,11名が死亡した. O157は大腸菌の仮面を被った赤痢と呼ばれるほどで,7月には法定伝染病に指定されました。

 

大手の外食産業はこうした衛生管理には神経質で,食品規制法の基準を上回る体制を取っています。

 

「疑わしきは罰す」が食品関係者のモットーです。

 

現に,食品衛生法の第6条は,「有毒な,若しくは有毒な物質が含まれ,若しくは付着し,又はこれらの疑いがあるもの(第2項)」,「病原微生物により汚染され,又はその疑いがあり,人の健康を損なうおそれがあるもの(第3項)」,「不潔,異物の混入又は添加その他の事由により,人の健康を損なうおそれがあるもの(第4項)」。

 

2000年夏,全国を揺るがせた戦後最大級の食中毒事件が発生しました。

 

6月末の雪印乳業工場での黄色ぶどう球菌毒素による食中毒事件です。

 

「低脂肪乳」の貯乳タンクのバブルを3週間洗浄せずに放置していたことが判明しました。

 

また,店頭からの回収品を屋外で開封して再利用していた事実も判明しました。

 

この事件で品質最優先という「スノー・ブランド」の信頼は,消費者のみならず販売店,流通で失墜,株価は大きく下落しました。

 

スキーの金メダリスト原田雅彦選手らが所属するスキー,アイスホッケー,陸上のスポーツ部の活動自粛も表明しました。

 

その後,雪印乳業は,バター,チーズ,マーガリンを残して,他部門はほとんど解体となり,ミルクは全農,全酪連の事業統合会社からブランド名メグミルクで販売しています。

 

アイスクリームはロッテに,冷凍食品はマルハに引き取られました。

 

 

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