コホート内にネストされた研究【統計解析講義応用】

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コホート内にネストされた研究|【統計学・統計解析講義応用】

コホート内にネストされた研究【統計解析講義応用】


目次  コホート内にネストされた研究【統計解析講義応用】

 

 

コホート内にネストされた研究

 

目的とデザイン

 

ケースコントロール研究は,疾患の有無に基づいて研究対象を選択するが,コホート研究はそうではない.

 

大部分のケースコントロール研究とは異なり,コホート研究は真に後ろ向きではない.

 

コホート研究は.特定の曝露や危険因子と,その後発生した疾病との関連性を観測するために用いられる.

 

「前向き」とは,対象疾病が発生する以前に曝露や危険因子の情報が測定されていて,その測定以降,追跡評価期間内で新症例が集積される,ということである.
その後,曝露群と非曝露群における疾患の発生率を比較する.

 

特定の曝露要因について(ウラン採鉱など)曝露ありの群が選ばれ,曝露なしの「コントロール」が対照群として選ばれる.

 

この両群を前向きに追跡調査し,発生する疾病を曝露歴別に確認する.

 

多くの場合,ある地域から代表サンプルを募り特定の曝露要因に限定することなく調査するので,多数の曝露要因を同時に調査することができる.

 

前向きコホート研究は,同時的(縦断的)なものと,非同時的(ヒストリカル)なものに分けることができる.

 

同時的前向き研究(concurrent prospective study)では,研究開始時に対象集団が定義されており,この集団を前向きに追跡調査して,曝露要因と疾病の発生率を確認する.

 

例えば,ある集団における2014年のベースラインの情報を収集し,疾患の発生率を確認するために,その集団を2015年まで追跡する.

 

非同時的またはヒストリカルな前向き研究では,曝露要因に関する情報が,標準化された方法を用いて過去のある時期に既に収集されており,研究開始時に疾病の有無を確認する.

 

これは,後ろ向きコホート研究(retrospective cohort study)としても知られている.

 

同時的研究は,開始するのは2014年で,疾病情報は2015年に確認する,

 

一方,非同時的研究は,曝露が測定された1980年に開始したとしたら,2014年の疾病情報を確認する.

 

 

非同時的,ヒストリカル,後ろ向きコホート研究

 

非同時的コホート研究は,軍隊入所(military recruits),退役軍人(veterans),航空パイロットなどの大規模で良質な人口標本の記録が利用でき,それらが追跡可能で疾患アウトカムに関する追跡情報が得られる場合に用いることができる.

 

疾患アウトカムを得るために,時間が経つのを待つことなく,長期的な追跡情報が得られるという利点がある.

 

Plassmanらは,重度の頭部外傷を有する群と有しない対照群を特定するために,第二次世界大戦の医療記録を用いた.

 

そして,それから50年後の生存者における認知症の評価を行なった.

 

彼らは,軍隊における医療記録を用いた両群の比較結果から.若年期の頭部外傷は.老年期の認知症と関連することを示した.

 

Plassmanの研究は.頭部外傷を負ったかどうかに基づいて標本が選ばれたため,ケースコントロール研究とは異なる.

 

もしケースコントロール研究であったならば,認知症の有無に基づいて対象を選択し,両群の以前の曝露について調べただろう.

 

後ろ向きまたは非同時的コホート研究のデメリットは,有病/罹患バイアスの危険性である.

 

標準化したデータ収集法の一環として適切な基準による追跡方法を行わない限り,有病症例の研究では見逃されることの多い,短期問の症例あるいは致死的な症例を逃す可能性がある.

 

そのようなバイアスに影響されて,実際は軽症/非致死的な患者における危険因子を,疾患の危険因子とみなしてしまう可能性がある.

 

 

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