施設外IRBの限界と臨床試験への影響【ChatGPT統計解析】

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施設外IRBの限界と臨床試験への影響【ChatGPT統計解析】

施設外IRBの限界と臨床試験への影響【ChatGPT統計解析】
施設外IRBは効率的な審査を目的に設立された営利団体であり、企業が出資する臨床試験を中心に成果を上げているが、専門分野が限定され、複雑な研究には対応が難しい場合がある。また、迅速な審査が求められる一方で、費用や監督能力に限界があり、特に少ない研究費での審査には障壁がある。施設外IRBはビジネス上の関係として成り立ち、研究者との交渉に力関係が影響を与えるが、特定分野の進化や監督において施設内IRBとは異なる課題が残る。

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目次  施設外IRBの限界と臨床試験への影響【ChatGPT統計解析】

 

 

施設外IRBの限界

 

施設外IRBの最大のメリットは,同時に主要なデメリットにもつなが

 

施設外IRBは,顧客の具体的なニーズに応えることを目的として設立された営利団体である.

 

そのビジネスモデルは,効率的に審査を行うことにあるが,その効率は資金規模や資金の見通しによって変わってくることに加え,複雑な研究審査や探索的な科学や倫理の領域に関わる研究については対応困難である.

 

施設外IRBは,企業が出資する通常の臨床試験を大学研究機関以外で効率的に実施するために作られたものであり,実際にその成果を上げている.

 

また,状況によっては,大学研究機関で実施される企業出資による臨床試験に対しても効果的に審査することができる.

 

しかし,研究テーマが施設外IRBの中心的な業務から離れるにつれて,施設外IRBに対して審査を依頼するメリットは低下する.

 

施設外IRBの専門分野は,必然的に限られたものになる.

 

施設外IRBはコンサルタントを雇うことによって,自分たちの専門分野以外の特殊な科学的・医学的分野に関してプロトコールを提示したり,助言を行うことができるが,

 

そうすることによって,委員会を招集する回数に制約が生じたり,プロトコールを審査する時間や費用に影響が出る.

 

研究案件の分野が専門的になるに従って,審査を行う資格のあるメンバーの数が少なくなるので,施設外IRBを利用することによって得られるメリットは減ってしまう.

 

施設外IRBによる審査は,基本的に委員全員の出席のもとで行うよう設計されている.

 

施設外IRBによる審査費用は,企業が行う臨床試験においては問題にならないが,研究機関が実施する研究に際しては障壁となりうる.

 

特に,研究費が少ない場合には重要な問題となる.

 

施設内IRBではほとんどの場合,最小限のリスクしか伴わない試験に対して迅速審査を行うが,審査に要する時間の一部が学生教育に当てられることも多い.

 

施設外IRBが大学研究機関における研究を対象として迅速審査を行うビジネスモデルを打ち出すことは可能であるが,現在の審査費用を考慮するならば,大学研究機関が審査を施設外IRBに委ねるとは考えられない.

 

研究者とIRBとの関係は,互いに交渉を重ねる関係であり,交渉の成果は,両者の力関係に左右される.

 

研究施設において, IRBが研究者に煩わしい負担を負わせたり.プロトコールを承認しない場合でも.研究者,最終的にはIRBの決定に従うしか方法はない.

 

施設外IRBに審査を依頼した場合であれば,他社に再度プロトコールの審査を依頼することができる.

 

施設内IRBと研究者間の力関係は,施設外IRBと依頼者との関係と根本的に異なっている.

 

審査が簡単なものであれば,ほとんどの施設外IRBにおいて同様の決定がなされ,このような力関係は問題とならない.

 

しかし,治験審査業界の競争性が高まるにつれて,力関係が問題となる可能性がある.

 

同様の問題は,施設内IRBにも起こりうる.

 

企業から受託する治験の数が減って,限られた試験件数を研究機関が奪い合うようになっている.

 

このような状況では,ある研究施設のIRBが非現実的と思われる条件を突きつけてきた場合には,依頼企業は,他の研究施設を選択することを考えるようになる.

 

このようなパワーバランスがもたらす問題については,研究機関主導の医学研究が中心であった時代に策定されたIRB規則では想定されていない.

 

このような問題は,個々の施設内や施設外のIRBを超えた大きな枠組みで扱われなければならない.

 

IRB規則が策定されて以降,研究産業の構造変化とともに,科学の本質や方法論も変化した.

 

政府が策定する規則には,社会学的・行動学的研究に関して「盲点」のあることが広く指摘されてきたが,特に,全ゲノム関連試験や組織バンクなどの新しい倫理問題に対して対応の遅れが指摘されている.

 

このような技術的進展は,個人のリスクと社会の利益とのバランスに対してこれまでにない変化を及ぼすと同時に,前例主義が通用しない実際的な問題を生じさせる.

 

このような問題は,すべてのIRBに関連しうるが,上述したパワーバランスを考慮するならば,施設外IRBが好んでそういった先進的分野を扱うことはないであろう.

 

同様に,アダプティブ・デザイン(adaptive trial design)による試験(中間解析の結果に基づいて,進行中の臨床試験のデザインに変更を加える多段階試験)や個別化医療といった領域は,施設外IRBが得意とする分野ではないため.特定分野の熟練した専門家からなるこれまでの施設外IRBでは対応しきれない領域であるといえる.

 

施設外IRBは,実施中の試験に対してどの程度監督能力を有するかという点について問題が指摘されてきた.

 

規則では,最低でも1年毎に研究に対して審査を行うことが義務づけられている.

 

施設外IRBでは,最初の審査を施設の外で行うように,1年毎の審査も施設の外で実施する.

 

施設に対する現地査察により監督を行うことは可能であるが,積極的な現地査察を定期的に実施することは困難である.

 

施設外IRBは,ビジネスであるため,必然的にコストに対して敏感である.

 

積極的な現地査察は,規則で要求されたものではないし.依頼者からも歓迎されない.

 

これに対して,施設内IRBの場合では,現地査察を行ったり,施設の研究者に対して実地審査する権限があり,施設の研究体制に関して外部から指摘される恐れのある問題に対して目配りしている.

 

施設外IRBでは,被験者の苦情,監査指摘事項や法的事項などの報告が,研究者頼みであるとの指摘がある.

 

しかし,進行中の試験に対して積極的に監督を行う資金や権限を有する施設内IRBがほとんどないことを踏まえるならば,このような指摘は正当ではない.

 

多くの研究者は,施設内IRBよりも施設外IRBと密に情報交換していると答えるであろう.

 

施設外IRBを選ぶ

 

施設外IRBを選択する際には,多くの選択肢がある.

 

したがって,選択の際には,慎重に検討を行う必要がある.

 

IRBは,研究プロトコールの実施を通したパートナーであり,最初は1回の研究限りの関係であったものが次第に永続的な関係性へと変わっていくこともあるからである.

 

考慮すべき事項としては.以下のようなものがある.

 

提供サービス

 

提供されるサービスの範囲は,施設外IRBによって異なる.

 

FDAの対象となる医薬品の臨床試験に対する審査は大抵のところで行っているが,一部では医療用機器が得意であったりする.

 

また,ところによっては. NIHや政府の補助金による研究や国防総省の委託研究などに経験が豊富であったりする.

 

また,同意説明文書に関しても,提供されるサービスのレベルが異なる場合がある.

 

文書の承認のみを行い,修正は研究チームが行うところや,文書管理に責任を持ち,文言や体裁の修正まで行ってくれるところもある.

 

委員会の専門知識

 

過去に審査を行った研究の種類が異なることから,IRBによって,不得意とする科学的専門知識は異なる.

 

小児治験の審査が不得意な委員会がある一方で.社会的/行動研究の審査は行わないようなところもある.

 

研究機関側の制約

 

研究機関が試験を行う場合,その研究機関の同意説明文書の文言に関し,健康被害の補償その他研究機関の出費に関する事項に制約がある場合には. IRBは.その研究機関における制約の範囲内で審査を行う必要がある.

 

また,研究機関には,独自の被験者保護プログラムがあり,その権限や報告要件などが定められている場合がある.

 

施設外IRBがこのような施設内の組織と連携して業務を行う場合には,既存制度の枠組みに準拠し.連邦補償制度(Federal wide Assurance,FWA)の要件を満たすよう配慮しなければならない.

 

一部の施設外IRBでは,研究施設と独占契約を結んでいるところもある.

 

この場合,研究者は,研究施設が既に締結している契約を遵守することが必要である.

 

しかし,次第にこのような契約は減少する傾向にある.審査の重複を避けるために,試験依頼者が選んだ施設外IRBを利用することが多くなったからである.

試験依頼者惻の制約

 

依頼者が施設外IRBをセントラルIRBとして用いる試験が増えている.

 

このような試験に新たに参加しようとする研究者が別のIRBを使おうとすると,依頼者から拒否されることがある.

 

特に,そのIRBが依頼者の指定リストに掲載されていない場合,その可能性が高い.依頼者とPIとでは関心が異なる.

 

前者は,審査に要する時間や試験の予算に及ぼす彫響に関心があるが,後者は,個人の必要に応じたサービスの提供や施設の適合基準をクリアするよう援助を提供してくれるかどうかという点に関心がある.

 

よくあるケースでは.依頼者が選んだIRBがプロトコールの審査を既に終了している場合,当該ブロトコールをまだ審査していない別のIRBに諮ることによって.施設の承認が数日から数週間遅れることとなるが,依頼者はそのような遅延が見込まれる施設は好ましくないと判断することも考えられる.

 

 

認証制度

 

施設外IRBは,PIや実施施設,依頼者にとって,ブラック・ボックスのようなものである.

 

施設外IRBは,プロトコールのコンプライアンスと倫理問題に関する審査を行う責務を付託された外部契約者である.

 

これまでIRBの「質」に関して多くの議論が行われてきたものの,今なおこの問題には結論が出ていない.

 

これからある施設外IRBと契約しようとする者は,審査のレベルを判断する上で,これまでの依頼者や規制当局の監査結果といった過去の実績や,評判に頼るしかない.この点において, AAHRPPによる認証制度は有益な指標でありJRBが標準業務手順書の整備,スタッフや委貝会メンバーに関する基本的要件を満たしているかどうかを判断することができる. A

 

AHRPPの認証を受けるには,かなりの時間と手間が必要であるため. IRBによっては認証を受けないことを選択するところもある.

 

そのため,認証を受けていないことがすなわちその委員会が行う審査のレベルが低いということにはならない.

 

また,認証とは,過去のある時点におけるIRBの状態を反映するものであって,認証を受けたIRBが次回の認証までの3〜5年間そのレベルを維持することを保証するものではない.

 

しかしながら,認証を受けていることは,委員会が審査の質に対して相当な注意を払っていることの証拠であるので,施設外IRBを選ぶ際にはー考に値する.

施設外IRBとの共同作業

 

研究者が施設外IRBとの連携を強化するためにできることがいくつかある.

 

以下に述べることは,施設内IRBの場合にも役立つが. IRBが離れたところにあり,PIとの関係がビジネス契約としての関係性である場合には,特に重要である.

 

すべての資料を提示すること

 

先ず,必要な資料を完全な状態で提出することが重要である.

 

施設外IRBによる審査は,通常の場合いくつかの段階に分けて行われる.

 

新規プロトコールの審査であろうと,既存プロトコールに新規試験施設を追加する場合であろうと,研究内容の変更であろうと,提供された資料がそのままの形でIRBに送付されるわけではない.

 

施設外IRBでは,研究機関とは異なり,提出資料の書式や内容をコントロールすることができない.

 

施設内IRBと研究者とは同じ組織に属しており.IRBは,提出資料の内容や質に関する規定を定めることによって.委員会に諮る資料の形式を統一することができる.

 

これに対して,施設外IRBの場合には,対象が開業医であったり,クリニックや大規模・小規模の研究機関と,いろいろなところから審査資料が送られてくる.

 

各研究者は独自で研究を行っていたり,試験依頼者が複数いたりして,審査文書の形式は.研究機関や依頼者の規定によって様々である.

 

委員会をスムーズに運営するために.施設外IRBではできる限りこのようなばらつきを抑えて,委員会がコンプライアンスや倫理的問題に集中できるようにする.
新しい書式を解読したり,不慣れな文書形式に悪戦苦闘しながら必要な情報を探し出す時間の無駄を省くためである.

 

そのため,施設外IRBが資料の提示を受けた後最初に行うことは,提供された文書を固有のフォーマットに編集し直して,完全な資料が提出されたかどうかを確認することである.

 

資料が不完全である場合には審査が遅延するが,その遅延は,審査の本質とは無関係のものである.

 

そのため,施設外IRBが示すリストに規定された情報がすべて提供されていること,また提出資料に不整合な記載がないことを,依頼者はしっかりと確認する必要がある.

 

依頼者にとって不明な点や不必要と思われる点があれば,施設外IRBに連絡して明確にすべきである.

 

積極的に電話連絡を行うことによって,その後のプロセスで遅延が発生することを防ぐことができる.

 

IRBが資料の矛盾や記載もれを発見したならば,PIや治験コーディネーターに連絡を取って確認を行う必要があるからである.

 

また,PIが質問事項や質問にどのように回答したらよいかわからない場合にも,資料を提出する前に電話やeメールにより確認するのが最も効率的な解決法となる.

 

さらに,施設外IRBが示す提出リストには.あらゆる案件の審査に必要な質問事項がすべて網羅されているわけではない.

 

WIRBが2010年に作成した審査申請書は,29ページにも及んでおり,質問事項の中には個々の試験には無関係な内容も多く含まれている.

 

審査申請書の項目を選定するに当たっては, PIにかかる負担と,審査の途中で追加情報の提示を求めることによって,新たな問題が発生する可能性とのバランスをよく考えて作成すべきである.

 

最近では,オンライン形式で情報を入力し,提供された内容に基づいて追加情報を求める方法が次第に盛んになっており,この方法では,プロトコールに無関係であるPIや実施施設の情報はコンピュータに保存され,毎回の審査の度に再入力する必要がなくなる.

 

このようなオンラインによるやり方は.正確で完璧な情報提供を確保する上で有益であるが,こういった方法であっても,想定されるあらゆる質問事項を事前に尋ねたり,プロトコールのあらゆる変更についてカバーすることはできない.

 

審査前または審査中にIRBから連絡を受けることは,多々起こりうるのであって,質問があった場合には迅速に回答するよう手筈を整えておくべきである.

 

 

施設外IRBは、主に企業が出資する臨床試験の審査を効率的に行うために設立された営利団体であり、その大きな利点は、研究機関に依存せずに外部から独立した審査を行える点にあります。企業が臨床試験を迅速に進めたい場合、施設外IRBはそのニーズに応えるための選択肢となります。しかし、その一方で、施設外IRBにはいくつかの限界も存在し、これがデメリットとして作用することもあります。施設外IRBは効率を重視しているため、審査の迅速さが売りですが、その効率は主に資金規模や資金の見通しに依存しています。そのため、特に複雑な研究や倫理的に高度な判断を要する研究、さらには新しい科学的領域に関わる研究については、施設外IRBが対応することが困難な場合があります。これに対して、大学などの研究機関内に設置されたIRB(施設内IRB)は、教育や研究の一環として審査を行うため、時間やコストの面で融通が利く場合が多く、研究者との緊密な関係性を持ちながら、細部まで丁寧に審査を行うことが可能です。施設外IRBの設立目的の一つは、大学や研究機関外での企業が出資する臨床試験を効率的に進めるためであり、その点で一定の成果を上げてきました。また、状況によっては、大学研究機関で実施される企業出資の臨床試験に対しても効果的な審査を行うことができます。しかし、研究テーマが施設外IRBの中心的な業務から外れるにつれて、施設外IRBを利用するメリットは低下します。施設外IRBはその性質上、特定の分野に特化した審査を行うため、広範な科学分野や新興の研究領域についての審査には限界があります。例えば、ゲノム関連の研究や個別化医療、アダプティブ・デザイン(adaptive trial design)などの新しい臨床試験手法には、施設外IRBは必ずしも対応できるとは限りません。このような特殊な研究領域に対応するためには、外部のコンサルタントを雇うことが一般的ですが、それには時間やコストがかかり、審査のスピードや効率が低下する要因となります。また、複雑なプロトコールや新しい倫理的問題に直面する場合、施設外IRBでは対応できる専門家が限られているため、審査の質が低下するリスクもあります。このため、施設外IRBを利用することのメリットは、研究の内容や規模によって大きく異なります。さらに、施設外IRBの審査は通常、委員全員が出席する形式で行われますが、これにより審査の柔軟性が損なわれることがあります。たとえば、施設外IRBの審査費用は企業の臨床試験では問題とならないことが多いものの、研究機関が限られた資金で実施する研究では大きな障壁となる場合があります。特に、研究費が少ない場合には、施設外IRBの審査費用が大きな負担となり、研究を進める上での大きな制約となることが指摘されています。一方、施設内IRBでは、研究者とIRBとの関係が教育的な側面を持つため、学生教育を兼ねた迅速な審査が行われることも多く、その点で施設外IRBとは異なる役割を果たしています。施設外IRBが迅速審査を行うビジネスモデルを持ち込むことは可能ですが、現行の審査費用を考慮すると、大学や研究機関が施設外IRBに審査を依頼することは難しいとされています。さらに、施設外IRBと研究者との力関係は、施設内IRBと研究者との関係とは大きく異なります。施設内IRBでは、研究者は多くの場合、IRBの決定に従わざるを得ませんが、施設外IRBの場合、依頼者である企業が他のIRBに審査を依頼することが可能なため、交渉の余地が生じます。このような力関係の違いは、審査の過程や結果にも影響を与えることがあります。特に、治験審査業界の競争が激化する中で、施設外IRBと依頼者との関係が強くなることで、審査の公正性が問題となる場合もあります。治験における施設外IRBの競争は、依頼者が施設を選ぶ際の基準に大きく影響を与え、他の研究機関や施設との力関係が審査の結果に反映されることがあります。このようなパワーバランスの問題は、研究機関主導の医学研究が中心であった時代には想定されていなかったため、IRB規則が現代の研究産業の構造変化に対応しきれていない部分があります。さらに、施設外IRBはビジネスであるため、コストに対して敏感であり、積極的な現地査察や継続的な監督を行うことが難しいとされています。規則では最低でも1年に1回の審査が義務付けられていますが、施設外IRBでは最初の審査と同様に、年次審査も施設外で行われることが一般的です。現地査察は可能ですが、これを定期的に行うにはコストがかかり、依頼者からも歓迎されない場合が多いです。これに対して、施設内IRBでは現地査察を行う権限があり、施設の研究体制に対して外部から指摘される恐れのある問題に対しても監視の目が届きやすいです。また、施設外IRBでは、被験者の苦情や監査指摘事項の報告が研究者頼みであるとの指摘がありますが、施設内IRBであっても進行中の試験に対する積極的な監督が十分に行われていないことが多いため、この点については施設外IRBに特有の問題ではないと考えられます。多くの研究者は、施設内IRBよりも施設外IRBとのコミュニケーションが円滑だと感じているという調査結果もあります。施設外IRBを選択する際には、提供されるサービスの範囲や委員会の専門知識、研究機関の制約、そして依頼者の制約など、多くの要素を慎重に検討する必要があります。例えば、FDAの対象となる医薬品の臨床試験を得意とする施設外IRBもあれば、医療用機器や国防総省の委託研究に特化したところもあります。また、同意説明文書に関しても、提供されるサービスのレベルに差があり、一部では文書の承認のみを行い、修正は研究チームが担当するところもあれば、文書全体の管理と修正を行う施設外IRBもあります。さらに、施設外IRBとの関係を強化するためには、必要な資料を完全に提出することや、審査の過程で発生する問題に迅速に対応することが重要です。施設外IRBが指定する提出リストには、すべての必要な情報が含まれているわけではないため、不明な点があれば事前に確認を行い、審査の遅延を防ぐことが重要です。このように、施設外IRBの利便性と限界を理解し、適切な選択を行うことが、研究の進行をスムーズにするためには欠かせません。

 

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